お肉の歴史をみてみましょう。

お肉の歴史をみてみましょう。
歴史

お肉の歴史といっても、ピンとこないかもしれませんが、
多くの方にとって、お肉といえば牛肉・豚肉・鶏肉がメインとなってくるでしょう。
とはいうものの、どのように牛・豚・鶏が日本に入ってきて食べられるようになったかは、知っている人のほうが少ないことでしょう。

食べる上では、どうでも良いことですが、そのあたりのことを簡単に説明してみます。

牛肉の歴史

人間と野生の牛とは、既に、約1万5,000年前のフランスの洞窟壁画に
描かれています。
やがて狩猟によって、子牛が生け捕られ、飼育されるようになり、
約9,000年前には地中海東岸地方、特に小アジアからパレスチナ地方
において家畜化されていました。

牛の家畜化は、各地へ伝わり、東はインドのパンジャブ地方・
南はエジプトへと伝わっていきました。

日本では、縄文晩期から弥生文化晩期のころ牛の家畜化が始まり、
この時代の遺跡からは牛の遺骨などが多く見つかっています。

また、日本で古くから飼われてきた在来牛の姿は、山口県萩市の
見島に残る見島牛に見ることができます。

現在の肉専用種は、明治時代に在来の和牛に多くの外国種を交配して
作られたが、見島牛は外国種の影響を全く受けていない在来和牛の
唯一のもので黒毛和種の基となった牛であり天然記念物でもあります。

現在、日本で販売されている国産牛肉には、肉専用和種、乳用種、
交雑種(和種と乳用種の交雑)、そして外国種などがあります。

和種には黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種などがあり、
いずれも明治時代に農耕用の在来種に外国種を交配して改良されたものです。

最近の生産動向は、和種の生産が、全生産量の約38%程度に減少し、
代わりに乳用種去勢牛や交雑種が増えてきています。

豚肉の歴史

豚はわかりやすく、見た目からもわかりますが、猪が家畜化されたものです。
猪の家畜化は世界各地で行われ、紀元前6000年代のヨルダンの農耕遺跡から
出土した豚の骨が世界最古のものといわれています。

紀元前5000年の新石器時代のスイスの遺跡から発掘された泥炭豚も、
家畜化の初期の豚と見られています。

その後、エジプトやアジアの東部、南部で飼われるようになり、
ヨーロッパ各地には、紀元前900~500年ころ広がっていきました。

中国では紀元前1500年頃にはすでに、食用として飼養されていました。

1900年少し前には、イギリスを中心に多くの品種が作り出され、
アメリカでも品種改良が進められました。

日本では、弥生時代には、鶏・豚ともにいたようです。
しかしながら、仏教の伝来後に肉食が禁じられたため、
沖縄以外では豚は、ほとんど飼われませんでした。

明治初期からは全国で本格的に養豚が行われ、欧米の品種が数多く
導入されたようです。

鶏肉の歴史

鶏の祖先は、東南アジアの熱帯圏に現在も生息している赤色野鶏で、
紀元前5000年前後に中国やインドで家禽化
(肉や卵をとることなどを目的に家で飼われる鳥の総称)とされ、
東西へ広がったようです。

鶏が日本へ渡来した年代は明らかではありませんが、
中国大陸から朝鮮半島を経て渡来し、紀元前数百年にはすでに
飼われていたとされています。

その後、平安時代から江戸時代の初期にかけて中国大陸や
東南アジアから新しい品種が入ってきました。
江戸時代末期までは、闘鶏(軍鶏など)、愛玩(尾長鶏など)を
目的で飼育されていて食用ではありませんでした。

鶏肉を食べることが定着してからも、長い間、卵用鶏の廃鶏が
食用とされたため、肉生産を目的とした養鶏はほとんど
行われていませんでした。

現在、わが国に出回っている鶏肉のほとんどがブロイラーです。
ブロイラー飼育は、1940年代にアメリカで始まり、
わが国では50年代中頃から、見られるようになりました。

日本国内で現在流通している鶏肉は、ブロイラー、
肥育若鶏が90%以上であり、それ以外は地鶏肉などがあります。

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