牛ヒレ・サーロイン、ステーキ肉のうんちく話3本
ヒレ肉はなぜいつも同じ形をしているのか??
皆さんが牛ヒレ肉(テンダーロインステーキ)を食べる機会は、ステーキを食べに行ったとき、もしくは結婚式の披露宴が多いのではないでしょうか。
私が子供ころは、まさに披露宴くらいしか牛ヒレ肉のステーキなどを見る機会はありませんでした。でもその形みんな同じに見えたものです、子供の頃はあまり不思議には思いませんでしたが、
大人になるに連れ、結婚式ってこんなところまで気を使って料理を出すんだ、大変だなぁ~どんだけお金がかかるの??とおもったものです。でもこの同じような形になるのには、理由があるのです。
これが今回の話の味噌??、そう本来ヒレ肉は棒状になっているわけですが、太い方からだんだん細くなっていくのです。それなのになぜ同じ形??となるわけです。気づいていなかった方もいるかもしれませんね。
そうそれは、何本ものヒレ肉を互い違いに並べて結着剤(人体にがいのない接着剤みたいなイメージ)でくっつけて同じような筒状の形にするわけです。そうすれば、どこを切っても同じような形に見え、同じような大きさになるのです。
でも、これって今はいろいろと難しい問題が出てきました。このような結着処理をした場合、それはヒレ肉というより加工肉ということになり、メニューなどにも単純にステーキと表記することができないわけです、様々なホテルがその表記をきちんとしていなかったと問題になったのもそんなに古い話ではありませんよね。
最近は、ホテルもメニュー表記を含み、ステーキの対応自体難しくなりましたが、その流れをうけお肉を扱う業界では、結婚式シーズンとクリスマスシーズン、年末年始はヒレ肉の取り合いが?起こります。需要と供給のバランスで値上がりするわけで、皆さんもいろんな事情はあるかもしれませんが、牛ヒレ肉、テンダーロインステーキを食べるなら、時期は少し考えれば、安価で美味しく食べるチャンスがあると思いますよ。
シャトーブリアン、最上級と言われるお肉、名前の由来は人の名前でした。
牛ヒレ肉の中でも、別格のように扱われるシャトーブリアンですが、確かに牛肉の中でも一番高いお値段がつきます。肉質的には、キメの細やかさ、やわらかさ、香り等々なかなか他とは違いがあるかもしれませんが、大変でもあります??
ところで、この名前の由来になったのは、19世紀のフランスの作家、政治家でもあった、フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンです。彼がこよなく愛したお肉、それが牛ヒレ肉であったと言われていますが、その中でも中心部分の最も太い部分を好み、そこをステーキにすることを命じて料理人に作らせていた事から、この部分をシャトーブリアンと呼ぶようになったそうです。
フランスでは、牛ヒレ肉を5つの部位に分けて料理に利用する程ですから、その美食の国の中の美食家ですから、名前にまで使われたのですね。
でもいくら食べたくても、牛一頭から4キロほどしか取れないヒレ肉の中で、その中心500グラムそこそこしかない部分、値段も高級ですから、先立つものがないと食べられませんね。
そうそう、シャトーブリアンをご自分で購入して食べたい、と思っている方、お肉屋さんの代わりにお伝えしますが、量は限られているわけですね、必要な量を確保するために何本のヒレ肉が必要となるかも想像してみてください。シャトーブリアンを取るために、ヒレ肉の他の部分も一緒に出てきます、その部分もどなたかに購入していただかなければ、無駄になってしまうわけです。
といっても、それ以外の部分がきちんと購入いただけるか、さばけるかは時期や量によっても変わるわけです。さばけない場合、とびっきり高くお買い物していただくか、その他の部位も一緒に購入いただけなければならなくなり、ご用意したくてもできないこと、お話が合わないことも起こりうるというのが実情です。
サーロイン、その名前のついた理由と言われる2大説
サーロイン、まさに牛肉の王様といっても過言ではない部位ですね。一番人気のこのお肉、ロースにSirなどとナイトの称号がついてしまうほどですが、その名前のついたエピソードは諸説があります、その中で可能性が高いと言われる2説をお話します。
1つ目、一番良く聞かれる説かもしれません。16世紀のイギリス、グルメ王と名高い国王が、ある日の晩餐会で提供されたステーキがあまりにも美味しく素晴らしかったためコックさんを呼んだのです。そこでコックさんに国王が尋ねます、これは何の肉かと。コックさんは答えます、ロインでございます。
それを聞いた国王は、高らかに宣言するのです、ロイン、なんじにSirの称号を与えよう!素敵なお話ですが、これには様々な説があり俗説ではないかとも言われています。
2つ目、14世紀のフランス語「Surlonge、(surは~の上に、longeは、腰肉)の意味からきているという説です。まあ、何が正しいのかはわかりませんは、ロマンチストは1つ目、現実主義者は2つ目を信じるでしょうね。
俗に「SteakReady」と呼ばれるように、カットするだけですぐにステーキ肉に使うことができるこのお肉、形状も味も王様と言われるに相応しい風格があるのかもしれませんね。