ハム・ソーセージ等と期限表示について

ハム・ソーセージ等と期限表示について
さまざまな素材

ハム・ソーセージのような食肉加工品には、日付の表示が義務付けられています。
最初にその表示が義務付けられたのは、1948年の牛乳で、その製造月日の表示が食品衛生法により始められました。
JAS法によっては、1961年にJAS製品の製造年月日の表示が始められました。

食品の期限表示の変遷と種類

期限表示は、その食品が一定の品質を保持していると認められる期限を、「消費期限」や「賞味期限」で日付もしくは月の単位で表示しています。
もともと、消費期限は、生鮮食品などのすぐに腐ってしまうようなものに使われ、賞味期限は、それ以外の食品に使われています。

皆さんはこの期限表示をどのくらい気にされるでしょう。
販売の現場にいると色んな思いが出てきます。少し感じてしまうのは、消費期限と賞味期限を同じように考えて対応されている方々がいらっしゃることです。
消費期限の表示されている食品は、その期限を過ぎたものは食べないほうが良いでしょう(健康上問題が発生する危険がありますから)、でも賞味期限は、美味しく食べられる期限ですから、
食べられなくなるわけではありませんし、食品ロス、という観点からは食べていただくほうが良いかもしれません。

しかしながら、販売現場では、生肉の消費期限をしっかり確認する人は理解できますが、ハム・ソーセージの賞味期限を確認し、少しでも新しいものを、と商品をひっくり返し奥の方からひっぱり出し商品の並べてあるのをぐちゃぐちゃにしてしまう方もいます。
どうしてそこまで?と感じることは結構頻繁におき、気持ちは、理解出来ないことはありませんが、モヤッとしています。

期限表示にそこまで神経質にならなくても、もっと食品の保存方法や開封した商品の期限など、商品の管理に目を向けてほしいな、とも思います。

※消費期限は
開封前の状態で、決められた保存方法で保存した時に、その食品が品質上の劣化により安全に食べられなくなるまでの期限であり、年月日を表示しています。
そのため、消費期限を過ぎた食品は、食べないほうが良いと思います。
(食べる場合は、自己責任ですよ!)

※賞味期限は
開封前の状態で、決められた保存方法で保存した時に、期待されている品質の保持がすべて可能と認められる期限であり、年月日、年月(賞味期限が3ヶ月を超える場合)を表示しています。
そのため、賞味期限を過ぎた食品は、すぐに品質が悪くなり食べられなくなることはありません。食べられるかどうかは、食品の状態(色や臭い等)で個別に判断にしていきましょう。

期限表示の必要ない食品があります

でん粉、砂糖、食塩、アイスクリーム類、チューインガム、うま味調味料、飲料水、氷、酒精飲料は期限表示を省略することができます。
これは、これらの加工食品が、品質の劣化が非常に少ないためと言われています。

期限表示の設定は、どう決めますか?

期限表示の設定は、どう決めますか?

食品の期限を設定する場合は、その食品に関わる情報や知識のある人が決める必要があります。
多くは、その食品の製造業者が決めますし、加工業者や販売業者が決めることもあります。

製造業者などは、微生物試験、官能試験、理化学試験など製造のために蓄積された経験などから科学的に期限を設定します。
ハム・ソーセージ等の食品加工品についても、その業界として期限表示のための試験なども決めていますし、各製造者もその取り決めに従い、製品の試験を重ね期限を設定しています。

賞味期限の算定式は
賞味期限の日数=可食期間✕安全係数、となっています。

安全係数とは、検査の際、製品が安全でであった最終日までの期間に対して、その安全率を見るために、その製品の特性に応じて設定する1未満の係数のことを言います。
安全係数は、個々の製品によりその品質の状態、ばらつきなどからも勘案し決められますが、その変動が少ないものは0.8以上の安全係数を設定します。

例:ある商品を5日間ごとに一定数量ずつ検査していきます、例えば5個ずつを5日、10日・・・40日までは正常、45日目に異常が発生した。
この場合は、可食期間は40日となり、品質状態のばらつきがないとうことで安全係数は0.8と設定。

賞味期限の日数=可食期間✕安全係数⇒40日✕0.8=32日となり、実際の商品には、賞味期限30日として製造日から算出された日を、賞味期限の日付とします。
製造日が令和元年5月10日でしたら、そこに30日を足して、賞味期限は令和元年6月9日となります。

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