ジビエの熟成はどうするのが良いか

ジビエの熟成はどうするのが良いか
ジビエ

ジビエ肉と熟成の関係には、時代の必然性があった?

ジビエの本場ヨーロッパでは昔から狩猟文化が盛んであったため、狩りに出てから戻るまでには、相当な日数がかかるのが普通でした。そのため料理をする頃には、そのジビエ素材は熟成が進み、腐敗に近いこともあったでしょうが、強い香りを放つことが普通だったことでしょう。
ジビエの本場ともいうべきフランスでは、狩りは王侯貴族の特権であったわけですから、ジビエ料理も香辛料、お酒なども使い素晴らしい宮廷料理にもなったことでしょう。また、その技術も現代に受け継がれています。
よって、日本においてもその技術が伝承されたフランス料理店では、ジビエは熟成させる(フザンタージュ)ものであると考えられてきました。

しかし現在では他の食材と同様にジビエの流通にも時間がかからずにできるようになりました。そのため熟成の考え方も変わってきているといえます。
もともと飼育された牛や豚などの家畜は、屠畜されると一定期間をおいて出荷されます。これは、その動物たちの筋肉の硬直がすみ、肉が持つ酵素の働きでうまみ成分などが増えたりする、そういった頃合いを見て出荷されるわけです。そしてそれにかかる時間と言うのはその個体の大きさや種類によって様々でこちらにもプロの目線が出てくるわけです。

熟成をどう考えるかにも、料理人の個性がみえます

熟成をどう考えるかにも、料理人の個性がみえます

料理に使用するジビエも国産、外国産とあるわけですが、まず外国産の場合は到着の時点で既に数日が経っている捕獲されてからの日数が経っていることが多いのでこういったものは早めに使っていくと言う料理人が多いです。
また国産の場合、最近では早ければ狩猟された当日や翌日には届くことが多くなっています。この場合は先日の家畜の硬直の様に現場で硬直した筋肉が柔らかくなり少しずつ水分が抜けて弾力がなくなりといった熟成の進む過程も現場で料理人が判断することになります。
と言うことで狩猟された環境などその時点から、理解したうえでどのように熟成をコントロールし管理するかも料理人の個性や考え方と言うことが出てきます。

現在多くなってきている熟成の考え方は熟成はさせるが、香りがつく程度までで匂いがきつくなるような事はさせないと言うのが主流になってきています。
さまざまなプロ達が、熟成をどう考えているか、は別の機会にでも、例にあげたいと思います。

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