ウサギ肉・ウサギ料理について

ウサギ肉・ウサギ料理について
ジビエ

ウサギ肉を考える

ウサギは日本では北海道と沖縄を除く森林や草原、畑全国に生息します。北海道にはエゾユキウサギがおり、体長50センチ、体重2キロにもなるものもいます。餌は自然にはえている野草や樹皮を食べています。
日本でウサギの飼育が本格化したのは明治時代だといわれていますが、江戸時代から飼われていた日本在来種のウサギと欧米から輸入されたウサギを交配させて改良種をつくり飼育したと言われます。
日本での飼育は、狭い場所でも飼育でき、繁殖力も高いものではならず、日本白色種(ジャパニーズホワイト)という品種がつくられましたが、これは日本在来種にアメリカ産のニュージーランドホワイト種を交配させてくられました。

農家の副業としても飼われたわけですが、ウサギ肉だけでなく毛皮も利用されましたし、実験動物としても利用され役立てられたようです。
肉用種としては、フレミッシュ種やベルジアン種がいますが、現在ウサギ肉として食用に利用されることはほとんどありません。第二次大戦前までは日本でも家畜として飼われていましたが、現在でもフランスでは食用に飼育されています。

ウサギ肉は、野生の場合は、脂肪が少なく匂いのきつい暗い色の赤身ですが、飼育されているものは、鶏肉に似ていると言われます。肉質はやわらかく、淡白ですが、オスよりメスのほうが美味で、オスは固く、メスはしっとりしています。野性味あふれる味という表現もあります。
猟期となる11月15日から2月15日が美味しい時期と言われますが、ウサギ肉は血の香りがして、自然味あふれた味わいだという理解も必要と思われます。

ウサギ肉は、他の肉類と比較するとカリウムを多く含み、カルノシンという活性酸素を取り除く成分を含むという特徴もあります。よって高血圧や糖尿病の予防に役立つ言う方もおられます。

ウサギ肉料理は、フランス料理では定番ですが、日本でも昔から支持された料理です。

ウサギ肉料理は、フランス料理では定番ですが、日本でも昔から支持された料理です。

ウサギ肉料理には、ウサギをそのまま(部位肉に分けずまるのまま)たべられますが、背ロースやモモ肉が格別だとも言われます。
日本では、煮込み料理や鍋の具材、カレーの具材などに使われることが多かったですが、これは味噌味やスパイスでマスキングされ臭いが気にならないためだともいわれます。
ごぼうやにんじん、こんにゃくなどといっしょに炊き込んだ五目御飯のような伝統料理ウサギまんまやウサギの水煮もありますが、まるのまま煮込んで骨から出る出汁をいただくこともあります。

ウサギ肉とフランスや日本の関係は、(ウサギ肉、ところ変われば)も参照ください。

本場?フランスでも、煮込み料理に使用されていることが多いですが、1匹を丸ごと煮込む、ロワイヤルと呼ばれる料理や定番のローストのほかパテやテリーヌ、プレゼ(蒸し煮)にも利用されます。
1.ウサギのテリーヌ
・・・フランス料理の前菜として出されますが、ウサギ肉をミンチにして、魚介類や野菜とともに固めて形作る料理です。

2.ウサギのパンチェッタ巻きロースト
軽く塩・胡椒をしたウサギ肉に、マスタードをぬり、刻んだタイムを散らし、パンチェッタで巻きます。180度の予熱状態したオーブンに、ジャガイモなどと一緒にオリーブオイルをかけてローストします。
30分程度オーブンでやき、少し休ませたのち生クルームなどをかけいただきます。ローズマリーなどお好みのハーブを使い、自分流にアレンジしてみてください。

こちらの下処理についても、述べておきます。
一番のポイントは、熟成の時間が必要であることです。雪の中でウサギを冷やしながらとか、腹部に氷をあて、三日間冷蔵庫で冷やしたりします。これは腹部を冷やさずにおくとガスが発生して臭いをつけるためです。
また、臭いでは、血抜きが重要になりますが、内臓を取り出し皮を剥ぎ、モモや腕の肉など各部位に分け逆さにして血抜きをします。

個人的には、あまり食することはありませんが、ジビエ好きの方や新たな味を求められる方は、一度召し上がるのも良いでしょう。

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