ウサギ肉、ところ変われば ジビエ Post Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it ウサギ肉とフランス フランスを中心に、ヨーロッパの家庭や飲食店では普通に食べられているウサギ肉ですが、フランスではジビエの範疇となります。 もともと、ヨーロッパでは、ジビエは上流階級の遊びであった狩猟の戦利品でしたが、そのお肉だけでなく血液や内臓部分もすべてその生命をいただくという意味合いが強いようです。 とはいっても、現代のウサギ肉は、人間によって飼育されたものも多く(家ウサギ)、野生の野うさぎとは違った扱いとなります。 人間が飼育した家うさぎは、フランス語では『ラパン』と呼び、野生のウサギである野ウサギは『リエーブル』と呼び、区別されていますし、ジビエの価値は当然ながら後者の『リエーブル』が高いわけです。 その肉質はラパンの方がやわらかく、脂肪分の少ない淡白な味であるのに対してリエーブルは全体的にパサつきがあり、野性味やクセが強く、ジビエの中でもかなり野性味が強い肉と言えます。 そのため、ラパンとリエーブルでは、同じウサギ肉でありながら、違った肉と同じようなもので、好みも全然違ってきます。 どちらかは、好きでもどちらかは嫌い、という人も多数存在するわけです。 もともとウサギ肉は鶏肉に似ていると言われていますから、調理についても鶏肉と同様の料理方法(トマト煮込み・ワイン煮込みなど)で食べれば、間違いがありません。 それ以外にも、ジビエの基本とも言われるローストや、ウサギ肉の粘度をミンチ状で活かし、テリーににしたり、ハム・ソーセージのつなぎにも使います。 ということで、ウサギ肉とフランスは、ジビエに帰着するのではないでしょうか?? ウサギ肉と日本 むかーし、むかーし、牛肉がなかった頃、日本のすき焼きは、うさぎの肉が普通でした(笑) しかし今では、ウサギ肉と言えば、フランス料理のイメージが強く、日本といっても、マタギ料理?みたいなマイナーイメージです。 そんな中、2016年10月に「全国ウサギネットワーク」というものが設立されたそうです。 ウサギ食文化を日本で復活させたい、ウサギを食材にするのは室町時代から続く伝統食文化、江戸時代には将軍の祝い膳にも上っていたという思いかららしいです。 設立の旗振り役になっているのは、動物栄養学が専門でウサギの研究を行っている香川大農学部の川崎助教は、15年10月に食用ウサギの品評会「全国ジャンボうさぎフェスティバル」に出席した際に、食用ウサギ農家の学会やネットワークは海外では普通に存在するのに日本にはなく、農家の数も減り跡継ぎ問題も顕著化していると訴えられたとのこと。 ウサギを食べる伝統的食文化を守り、ウサギの肉の美味さと栄養価をもっと知ってもらうと、動物園や牧場、農家の関係者の協力によって設立が決まった、というのですが、まさに、日本のウサギ肉に現状を表していると思います。 食用ウサギは食用に改良を重ねてきた、体が非常に大きなもので、日本では「ジャパニーズ・ホワイト(日本白ウサギ)」というブランドで体重が8キロになるものもいるそうですが、 普及しない大きな理由は、やはり価格にもあるでしょう。相場が100グラム350円と高く、海外では1キロ500円ほど、特に日本ではウサギ肉が近いと言われる鶏肉はスーパーの特売では、100グラム100円程度でも買えてしまい、なかなか厳しいとか。 前述の香川大学でも、学祭などで提供しアンケートを取ると、大半が「臭みが無くておいしい」、「また食べたい」という意見をくれるそうですが、いくらくらいなら買って調理するか、となると「100グラム90円くらいだったら、、」となるそうです。 そして、ウサギ肉が食べられない一番の原因は、やはりペットとしてかわれているかわいい動物、というところでしょう。 ペットショップで売っているような「ネザーランドドワーフ」「ホーランドロップ」などとは違いますが、食用ウサギは大きくてもカワイイ、これが問題となるようです。 「うさぎは可愛いし賢いし、牛とか安く売ってるのにわざわざ食わなくていいだろ野蛮」 「うさぎ飼ってたから無理だわ。流行ってないって事は日本では無理と思ってる人が多いからだと思うわ」、といったような意見が多くでるようです。 食文化の歴史的背景を知って理解してほしい、という思いがあってもこの取り組み、どうなっていくのでしょうか。 ところで、ウサギ肉は鶏肉に似ていると言われていますが、日本では昔から、骨ごとたたいたツミレ入りの鍋料理や汁物が一般的でしたが、大正以降、肉飯やすき焼きでも食べられていた記録が残っています。 大正~昭和初期の庶民の食事を記録した「日本の食生活全集」では、30近い道県のレシピが残っているそうです。 フランスのラパンのように野性味の少ないものは、和風の味付けにもマッチし、照り焼きや西京漬けでもおいしくいただけますし、最近は日本料理の仲間とも言える、フライドチキンのようにしたり、カレーにしたりも美味しいようです。 ということで、ウサギ肉と日本は、ままならない歴史に帰着するのではないでしょうか?? ※おまけなぜ、ウサギは、「1匹2匹」ではなく、「1羽2羽」と数えるのでしょうか? それは、日本では食肉禁制の期間が長かったわけですが、ウサギは違う扱いを受けていました。 ウサギは、跳ねるので、鳥の仲間だと言うのです。わかったような、わからにようなお話ですがそれも歴史ですか。 海外の国でも、ウサギ肉は肉屋さんではなく鶏肉屋さんで買う、という国もあったはずです。 Post Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it ジビエ ウサギ肉, ジビエ 豚ガツの煮込み 牛ヒレ(フィレ)肉、あるある話 ピックアップ記事 ビジネス 肉屋さんの売上を上げる方法(算数編) ビジネス ビジネス 精肉売場で「売れ筋」が止まる理由と改善のヒント ビジネス ビジネス 最近人気のハンバーグ ビジネス 関連記事一覧 ジビエ ジビエの肉質は、どのようなことで変わるのか ジビエ ジビエについて知っておくと良いこと ジビエ 鹿肉・鹿料理について ジビエ 真鴨肉・真鴨料理について ジビエ ウサギ肉・ウサギ料理について ジビエ イノシシ肉・イノシシ料理について ジビエ ジビエ料理が問いかけるものは、人間力かもしれない ジビエ ジビエへの思い、プロたちから聞いたお話