肉料理に合うウイスキーとは
肉料理に合うウイスキーは、あるのか?
ウイスキーと言えば食中酒というよりは食後酒のイメージが強いようですが、その理由は何でしょうか?チョコレートなどのスイーツと相性が良く、食後に飲むお酒という印象が強いのか?相性の良い料理が少ないからか?どちらかかもしれません。
人気のハイボールはもちろんですが、水割り、ロック、ストレートと、いろいろなスタイルで味わうことができるウイスキーです、ウイスキーにあう肉料理がないわけはありません。
ここでも、語りだすとたいへんですから、、少しだけウイスキーというものの基本?を述べてみます。
ウイスキーは、大麦やライ麦、とうもろこしなどの穀類を原料とした蒸留酒で、基本的な製造方法は、原料を糖化⇒酵母を加えて発酵⇒蒸留⇒樽で熟成となります。
蒸留されたばかりの原酒は、無色透明ですが、何年か樽の中で熟成されるうちに琥珀色に変化し、ウイスキーの香りもつくられていきます。貯蔵年数はウイスキーのタイプや、樽のタイプによって異なりますが、最近はスコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーなどに貯蔵年数の長い原酒がなくなり大変な状況になっているのもよく話に出ます。
先日も、箱・瓶だけが本物?そこに違うウイスキーを入れてインターネットで販売した不届き者が逮捕されたと読みました。
脱線しました基本知識の続き、ウイスキーの原料と製法の違いによる分類すると、1.モルトウイスキー、2.グレーン・ウイスキー、3.ブレンディッドウイスキーのように別れます。
モルトウイスキーは、大麦麦芽を100%使用し、単式蒸留器で蒸留したウイスキーのことでこの先も細かに別れますがそれはまたの機会にしましょう。グレーンウイスキーは、原料は、トウモロコシ、小麦などの穀類と大麦麦芽を使用し、連続式蒸留器で蒸留したウイスキーのことを言います。ブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたもの。ブレンドするウイスキーの種類は10~60種類にもなります、すごいですよね。
そして、飲み方も実は奥深いのですが、ここでは代表?4つにし、1.ストレート、2.ハイボール、3.オンザロック、4.水割りでいきましょう。
ストレートは、その名の通りウイスキーをそのまま適量をグラスに注ぎ、チェイサーと交互に飲みます。一口ごとにウイスキーのおいしさが味わえますが、食中の飲み方ではありませんね。ハイボールは、最近に人気で皆さんが一番馴染みがある飲み方かもしれません。グラスに氷を一杯に入れてウイスキーを適量注ぎかきまぜる、ソーダを加え、かき混ぜていただきます(ウイスキー1:ソーダ3~4)。オンザロックは、グラスに大きめの氷を入れ、ウイスキーを適量注ぎかき混ぜいただきます。これもチェイサーが必要です。最後は水割りです、グラスに氷を一杯に入れて冷やし、ウイスキーを適量注ぎかき混ぜます。そこに天然水(ウイスキー1:天然水2~2.5)を加えかき混ぜていただきます。
ということで、食事と一緒に召し上がるならハイボールか水割りが良いということになります。
肉料理とウイスキーの相性は
ウイスキーと相性のいい肉料理は、やはりステーキだと思います。それもできればサシの少なめの赤身系ステーキが良いと思います。ウイスキーと合わせるとき、霜降り肉のサシは邪魔になるかな?と。脂肪の甘みがウイスキーの風味と喧嘩をしてしまうように思えるのです、ただ、ハイボールは、ビールと同じような感覚?でどんな肉料理でも結構いけます。
ビーフステーキ・ポークステーキなら、とにかく個性や香りの強いウイスキーが良いでしょう、スコッチならピート香の強いものやモルト感の強いものがステーキ肉の旨みによくマッチするでしょう。バーボンは、特有のバニラの甘み、ナッツの風味が肉料理の旨味を引き出してくれることでしょう。ジャパニーズウイスキーならやっぱりハイボール、口の中の脂分をスッキリさせてくれることでしょう。
ラムのステーキなら、ングルモルトなら相性が良いと思います。モルト感がラム肉独特の香りを変化させ皆さん経験したことのない味が楽しめると思います。ラム肉は、独特の匂いから召し上がらに方もおられますが、結構ハマるかもしれません。
さて匂いつながりでジビエ系のステーキはどうでしょう。これは狩猟によって得る肉であり、ジビエやブッシュミートと呼ばれ、食通の方に高い人気がありますが、普通の牛・豚・鶏肉のような畜産系お肉に比べると肉の臭み(旨み)が強いことがあり敬遠もされます。
しかし、鹿肉のステーキなどは、その中でも香りがマイルド(笑)なので、初心者でも抵抗感少なく召し上がることができると思います。ワインでも同じことが言えますが、癖の強いものにはスパイシーなものが合いますから、ウイスキーでもそんなウイスキーがいいでしょう。飲み方はやっぱりハイボールからスタートしてください。ウイスキー好きな方やなれた方は、濃いめの水割りやストレートも面白いと思います。
ところでバーボンステーキは、ご存知でしょうか、ステーキを焼くときにバーボンを大さじ3杯程度かけ焼き上げし、残った肉汁でソースを作るものです。お肉の焼き上げる場合、ブランデーなどアルコール度数の高いお酒が用いますが、ウイスキーも香り付けにはピッタリのお酒というわけです。木の樽香やバニラの香が強いバーボンウイスキーを使うことでお肉の旨みを閉じ込め、香ばしく甘い香りを放ち、ステーキの旨さを際立たせる隠し味にもなります。そう、前も述べたとおもいますが、調理のときに使用したお酒はその料理と相性が悪いわけがありません。
話しは変わりますが、鴨肉などはどうでしょうか、鴨肉のローストなどフランス料理で重宝される鴨肉は油分が豊富で口当たりが柔らかく、肉汁たっぷりでその味を楽しむことが出来ます。こちらもワインが定番と言われますが、こちらは想像するにかたくないかもしれませんが、シェリー香のあるシェリー樽を使用したウイスキーが良いと思います。そのフルーティーな香りと鴨のジュシーなお味は素晴らしい相性となるでしょう。
同じとり肉でいうなら、日本では鶏の唐揚げとハイボールはど定番ですね、飲食チェーン店も押しているくらいです。しかし、それ以外の肉料理でもその相性の良さにびっくりする料理があると思いますよ、探してみてください。
ウイスキー好きの私としては、もっと述べたいところですが、すべて出てしまうのも面白くないですよね、楽しみはとっておきましょう。
最後に面白いウイスキーのお話を一つ、これは今から十数年前のお話です、ある会社がその当時下火になったいたウイスキーという飲み物をもう一度たくさんの人に愛飲され、楽しんでもらえるアルコールにしたいと奮闘されていました。その会社が、飲み方提案として全面に押し出したのが、ハイボールでした。百貨店や大手スーパー、酒専門店などたくさんの販売網に様々な販促物や景品、そしてCMと、次から次と仕掛けていました。そして火がつき今のように、居酒屋の飲み放題プランにもハイボールが入るようになったのです。
実は簡単ではなかったのですよ、小さな仕掛け?からみれば10年近い継続的な取り組みでした、詳しくなりすぎるのでもうやめますが、そう、その会社こそ、「ウイスキーは、お好きでしょ・・・」現在もCMをやっている超大手企業さんでした。大資本だからこそできることですが、それをやり続ける事ができる企業体質には脱帽だと思いますよ、本当に。