おいしい牛肉をつくる(飼料)

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おいしい牛肉を作るための飼料の基準

おいしい牛肉を作るための飼料の基準、牛だけでなく家畜の飼料の基準となるのは、「日本飼養標準」というもので、これをもとに各県、各牧場など生産の現場で決められることが多い。
成長の段階で必要な栄養分が変わってくるので、その指標として「日本飼養標準」は使われるというわけです。

牛は本来、草を食べる動物(牛が4つの胃を持ち、第一胃の中の物を反芻して消化していくのは有名ですね)ですが、飼育のためには粗飼料と言われる草を中心に作られた飼料と、濃厚飼料と言われる穀物類を中心に作られた飼料を与えて育てる。
粗飼料は、生の牧草、牧草を発酵してつくるサイレージ、乾燥させた牧草の3種類があリます。

生の牧草は、放牧されているときに食べますし、牧草地からとってきて食べさせたりもします。サイレージは、牧草をサイロで発行させたものですが、長期間保存できる特徴があります。
これは作る段階での発酵において、乳酸や酢酸が発生、増加させ、牧草にカビが生えたりするのを抑えることができるためです。

濃厚飼料は、トウモロコシ、ヌカ、大豆カスなどで作る穀物飼料ですが、栄養価が高いものです。粗飼料と濃厚飼料をブレンドし混合飼料として牛に与えて飼育しますが、この混合飼料がポイントとなっていきます。
飼料会社はもちろんのこと、各県JAや牧場など各団体・施設でその独自飼料や飼育方法で自分たちの牛を育てて、おいしい牛肉を作るということです。
さらっと書きましたがここにすごい戦い?、経験、独自性があり、例えば、F1交雑種を育てるなら、その父牛に和牛を使い、その和牛を育てるときには繊維質豊富な飼料で育てる。そして母牛には乳用種を使い、その乳用種を育てるときには栄養価の高い飼料で育てる。
そこから生まれた交雑種は、和牛にならい育てる、それによりその交雑種ならではの牛となり、独自のおいしい牛肉が作られる。そんな感じです。

ビタミンAのコントロールが和牛をおいしい牛肉につくリあげる

ビタミンAのコントロールが和牛をおいしい牛肉につくリあげる

和牛の場合、おいしい牛肉にするために脂肪交雑に影響を与えるビタミンAのコントロールをすることがあります。多くの研究機関の成果から肥育中期にビタミンAの制限をすることで脂肪交雑のスコアが上がるということがわかってきました。
肥育前期にビタミンAの制限を与えてしまうと、まだ牛の体が出来上がっていないため問題となります、これはビタミンAが筋肉を作るのに欠かせない働きをするためと考えられているからです。
そこで、体ができあがってくる肥育中期にビタミンAの制限を与えると、脂肪が筋肉の中に入るこむと考えられ、脂肪がうまく入りいわゆる「霜降り」がより良い状態になるというわけです。

また、ビタミンAのコントロールについては、適切に運用するのは問題がないと言われています。コントロールを失敗すると、最初は牛の食が減退し体が大きくならなくなります。
それを越えてしまうと、牛の視力に異常をきたしたり肝臓に障害が現れたり、筋水腫ができたりします。こうした状況は、当然ながら育てる側にも、牛自身にも良いことではないので、注意が必要です。
ただし、仮に牛の体調に問題がある個体がとちくされても、そのような個体のお肉は処理場にて選別廃棄されるため、現実として一般家庭に届くことはありません。

消費者のその時の好みに応じて、生産者もそれにこたえようと努力をします。霜降り肉が非常に人気を出せば、それに対応するように飼育の現場はなるのは致し方のないことかもしれません。
ただ、家畜健康が一番大切である、健康でなければそれをいただく人間にも影響をあることは、様々な出来事が証明していること、我々人間の中にも「いき過ぎない」しっかりとした判断が必要と思います。

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