おいしい豚肉をつくる(飼料)

おいしい豚肉をつくる(飼料)
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おいしい豚肉を作るための飼料は、配合飼料??

豚は雑食であるため、昔からよく言われていたのは、人間の残した残飯を与える、ということでした。確かに豚の消化器官は人間とよくにていることが知られているから、それも理解できます。
(医学の世界でもそんな豚と人間の共通性を利用して、ブタの体内でヒトの臓器を育てる研究なども始まっています)

とは言うものの現在は、ほとんどの養豚場や農家で、飼料基準に従った配合と分量で作られた豚用の飼料を購入して、豚の餌として与えています。
これは、肉質をよくするためで、豚肉の肉質や香りには、豚が食べている餌が大きくかかわってくるといわれています。そのため、おいしい豚肉を作るための飼料は、配合飼料となっているところがほとんどです。
現在使われる基本的な配合飼料は、とうもろこしを中心にぬか類や大豆の油粕にビタミン、カルシウム、ミネラルなどを加えたものになります。飼料は6大栄養素として、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン類、ミネラル、水分に大きく分けられます。

そして、飼料安全法により、飼料添加物は規制されています。その目的は、飼料の品質の低下を防止すること、飼料の栄養成分を補給をすること、飼料に含まれる栄養成分の有効利用をすることが主たるものとなります。飼料基準は、豚の成長段階や繁殖用の豚の状態に合わせて適切に必要な量な栄養を与えられるように規準とするための数値です。それぞれの豚に必要な栄養分は、豚の体重や年齢によっても違ってくるため細かい栄養管理が必要となります。

例えば、離乳後の子豚は、とうもろこしを消化することができませんから、粉ミルク中心の飼料を与えますが、成長とともにとうもろこし主体に切り替えていきます。
また、妊娠中の母豚は、太りすぎると難産になる傾向が強いので、カロリーの低い飼料がひつようとなり、ふすま(小麦の表皮)などの繊維質を多く配合し、かさ増しします。

豚の餌に使われるものには色々な種類があり、種類によってもそれぞれ特徴があり豚肉の質・味・香りなどに影響があります。

麦や米は、おいしい豚肉につくリあげる

麦や米は、おいしい豚肉につくリあげる

豚肉は赤肉(筋肉)と脂肪から構成され、品質はその構成成分から筋肉あるいは脂肪に由来するものとに分けられます。
筋肉に異常が見られるものとして、肉色が淡く(Pale)、組織が軟弱で(Soft)、水っぽい(Exudative)豚肉を、「ふけ肉」もしくは「むれ肉」と呼び、総称して「PSE豚肉」と呼ばれています。
(こうなる原因は、豚ストレス症侯群、と畜前に体調を整えていない豚、枝肉の取り扱いがわるいなどと言われます)

脂肪の品質は、与えるエサや飼育方法、品種、系統、などの影響が大きいようです。品質の良い脂肪は、融点(溶け始める温度)が高く、飽和脂肪酸の比率が高く、脂肪組織が脂質で十分に満たされているものです。

スーパーなどでおいしい豚肉として「麦豚」などの名称で販売されている豚肉がありますが、これなどは、麦を配合した飼料を与えてる豚の場合がほとんどです。
これは、麦を与えることによって、脂肪の質に変化があり、甘みのある豚肉になると言われているからです。
この場合の麦の量は、全体の10~20%程度で、これより少ないと変化がみられにくく、これより多くなると、みずみずしさに欠ける豚肉になると言われています、これは筋肉のしまりが悪くなることが原因とされます。

また、米の飼料への利用に関しては、飼料用米の活用が多く行われていますが、これは豚肉の脂肪が白っぽくなり、あっさりとした味わいになるためとしています。
この場合も米の量は、全体の10~30%程度となっているようです。

その他、りんごやみかんの絞りかす、さつまいもなどを豚の差別化のために混ぜて与えているところもあります。一例を上げれば、銘柄豚としても有名な鹿児島の黒豚は餌にサツマイモを多く利用しているため、豚肉に甘みが出るといわれています。

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