輸入牛肉の安全性って 牛肉 Post Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it 輸入牛肉(豚肉でも同じようなものです)は、一般的には、輸入商社を通じて輸入されます(大手GMSなどが直接輸入する場合もありますが)。 そして、その形態は、チルドと言われる冷蔵肉とフローズンと言われる冷凍肉に別れますが、そのほとんどは、部分肉に加工された状態で入ってきます。 輸入牛肉の流通経路は、①生産者⇒②食肉処理業者(パッカー)⇒輸出業者・輸入商社の海外支社・・・ここまでは海外 ④輸入商社⇒⑤食肉加工業者・卸売業者⇒⑥小売業者・飲食業者・専門店⇒消費者という流れで入ってきます。 輸入牛肉の安全性は 輸入牛肉の安全性は、何で判断すれば良いのでしょう。 まず最初にお話しておくべきは、現在日本で販売されている輸入牛肉は、現在の日本のルールを守り輸入されたもので、これらの輸入牛肉は安全だと日本政府は認めているものです。 ということで、別の角度?で見てみますと、輸入牛肉、国産牛肉に関わらず安全な牛肉は、もともとの牛が健康であるということが最初の条件です。 そして、その次には、育てられるときに使われる肥料・薬の問題となるのではないでしょうか。 飼料に関しては、遺伝子組み換え作物を含んでいない飼料・抗生物質を含まない飼料を食べて育てられた牛。 また、薬に関しては、肥育ホルモン(成長を促進するホルモン)を投与していない牛、と言うことになるのでしょう。 輸入牛肉の安全性と飼料の関係 では、なぜ遺伝子組み換え作物を含んでいない飼料や抗生物質を含んでいない飼料が、安全と考えられるのでしょう。 その理由は、遺伝子組み換え食品の一部にアレルギーを発生させる可能性のあるものがあるわかったからです。 遺伝子組み換え食物を含んだ飼料を食べて育てられた牛の牛肉を食べると、人体に何らかの影響が出る可能性を否定できないわけです。 ちなみに遺伝子組み換え作物は、日本ではすべて許されていないわけではありません。 よく言われることですが、日本のメーカーが日本で製造した食品であっても、その材料が海外から輸入されたものであり、そこに遺伝子組み換え作物が含まれれば、知らないうちに食べていることも否めないわけです。 輸入牛肉の安全性と薬の関係 これは、よく問題視されることですが、日本では一切の肥育ホルモンの家畜への投与は認められていません。 しかしながら、外国においては、肥育ホルモンの投与を認めている国もあります。 ちなみに、肥育ホルモンを投与された牛の牛肉を食べた場合の人間への悪影響は、明確にはなっていません。(異常な量を投与した場合は、別です) そのため、肥育ホルモンを投与された牛肉では、輸入の際の残量基準が定められています。 輸入牛肉の安全性と輸入国の関係 日本が輸入牛肉を輸入している国の、トップはオーストリア、2位はアメリカとなりそれ以下の国々とは大きく離れたシェアをもっています。 ここにも、最近気になるお話があります。前提として、オーストラリアもアメリカも、肥育ホルモンの使用は認めています。 ただし、ここに大きな違いはあります。オーストラリアの牛肉全生産量の4割程度が、肥育ホルモンを使用しているのに対し、アメリカは8割以上が使用しています。 また、牛肉輸出に対する取り組み姿勢には、大きな違いがあります。 どちらがよく、どちらが悪いと単純にはいかない話ですが、オーストラリアで生産される畜産物の5割以上は輸出用、それに対して米国での牛肉の需要は自国内の消費向けがほとんど、それ以外を輸出にまわしている。 そのため、オーストラリアから日本に輸入される牛肉は、ほとんどが肥育ホルモンを使っていない牛肉となります。 簡単な話?ですが、売りものは、お客さんあってのものです。オーストラリアは、生産する牛肉をたくさん輸出しているわけですから、お客さん(日本・中国・EUなど)の希望にこたえようとするわけです。 とすると、どの国も肥育ホルモン望んでいませんから、結果そのようになるわけです。 でも、米国は、事情が違いますよね。そこで、前述の気になる話に戻ります。 それは、2019年に日米の貿易交渉で、牛肉の関税が、現在の35.5%から一気に26.6%に下がり、環太平洋経済連携協定(TPP)の発効国と同水準になります。関税率はその後も段階的に切り下がり、2033年度には9%になる予定なのです。 米国産牛肉が安く購入できる!という歓迎の声もあります、それも事実でしょう。 でも、日本は国内の牛に、肥育ホルモンの使用を禁止していますが、肥育ホルモン剤を使用した牛肉の輸入は禁止していないのです。 ということは、輸入牛肉の安全性は、どこまで保たれるのでしょう。そこには、いささか?な不安を感じます。 現実の問題として、米国産牛肉のほとんどがホルモン剤を使用しているも言われているし、そういった牛肉はEUには輸出できないものあるという事実もある。 最後になりますが、最近アメリカでは次のような動きがあります。 有機牛肉の人気が非常に高まっているようです、有機というぐらいですから、合成農薬や化学肥料を使わない有機飼料で育てるだけでなく、ホルモン剤も使用を禁止しているものです。 その流れは飲食業界にも影響し、レストランでもホルモン剤を使った牛肉の使用を減らしてきています。アメリカ国内では、有機牛肉など安全性の高い牛肉が人気となり消費され、人気のなくなったホルモン剤を使用して育てられた牛肉が輸出される。 その行き場所は、いったいどこなのでしょうか? 輸入牛肉の安全性については、これからも国内産の牛肉に劣らない品質チェックが必要かもしれませんね。 Post Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it 牛肉 雑学 新型コロナウイルスに影響を受けるお肉 柔らかいお肉と切り方 ピックアップ記事 ビジネス 肉屋さんの売上を上げる方法(算数編) ビジネス ビジネス 最近人気のハンバーグ ビジネス ビジネス 精肉売場で「売れ筋」が止まる理由と改善のヒント ビジネス 関連記事一覧 牛肉 牛肉の希少部位、トモバラ編 牛肉 牛肉の希少部位、肩ロース・ロース・ヒレ編 牛肉 ローストビーフの表示におもう 牛肉 牛肉のリブロースとサーロインではどちらが美味しいか 牛肉 牛肉の希少部位、ウデ(肩)編 牛肉 お肉を柔らかくする方法は、大きく分けて3つあります 牛肉 牛ハツ、牛ハツの栄養 牛肉 熟成肉、おいしい牛肉をつくる2つの方法