柔らかいお肉と切り方

レシピ

現代の美味しいお肉の条件に、柔わらかさと甘みが必須であると以前にもお話しましたが、
今回は、そのうちの「柔らかさ」に注目し、お肉の切り方との関係をか科学したい(笑)とおもいます。
そんな、おかたいお話でもありませんのでご安心ください。

柔らかいお肉は、肉の繊維を短く断ち切る

お肉の組織は、タンパク質でできた細い繊維の集合体からできています。
そして、その繊維が長い状態で残っているものを口にすると、「肉が硬い」と
感じてしまいます(噛みごたえがある!と肯定的に考える方もいらっしゃいますが)。

ということで、お肉を調理する場合は、事前にお肉の繊維に対して、肉の繊維が短くなるように
断ち切っていく、ことが多くなります。まさに肉の繊維に対して垂直に肉繊維を断ち切ることが、柔らかいお肉をただく切り方となります。

なぜなら、肉の繊維が短くなれば、噛み切りやすくなりお肉を柔らかくいただくことができるわけです。
中でも種類でいくと、牛肉や豚肉はお肉の繊維が長く一定の方向になっている部位がほとんどですが、
鶏肉にはそうでない部位(鶏ムネ肉は、中心から繊維が流れているようなイメージ)もあるので、わかりにくい感もあります。

わかりやすいのは、牛肉ヒレ肉、豚のロース肉などですから、試したい人は、ちょっとした塊で購入してやってみてください。切り口をみてみるとわかりやすいですし、あえて肉の繊維に対して平行に切ってみると、というのも一興かもしれません。

調理して、食べ比べもすればその違いに、同じお肉?とビックリスルでしょう。
ちなみに、平行にきったものを噛み切るには、垂直に切ったものを噛み切るより4~5倍の力が必要、という話もあります。

お肉の切り方で味も変わる

どんなに上等なお肉でも、切り方次第では、柔らかいお肉どころか、お肉の味も格段に変わってしまいます。
切れ味の悪い包丁で、無理に押し切ったものなら、最悪なケースになります。

プロは、包丁も選びますが、当然それは、その仕事への影響もあるからです。
プロの職人は、どんな世界でも一緒ですが、自分の包丁は自分で管理し、人には貸しません。
それは、その人の癖や使い心地が変わってしまうからです。変わることでベストの仕事ができなくなるわけですね。

どう切るのか、プロは包丁をあまり強く握りませんし、切るのに時間はかけません。
そう、すっと切る!という感じでしょう(わかりにくいですかね??)。
それは、包丁を強く握ると、肉に圧力をかけてしまうことになりやすいですし、すっと切るのはお肉断面がガタガタにならないようにです。

お肉の断面がガタガタになると、肉の繊維もつぶれ、肉汁が出てしまったりします。
また、お肉を切る場合は、お刺身を切るときのように、引き切りはしません。
前にスライドさせて切るのが基本です。といっても、ご家庭で切る場合、引き切りのほうが切りやすいなら
それで切ってください。時間をかけギコギコと圧をかけて切るくらいなら絶対そのほうが良いです。

柔らかいお肉と包丁

どんな包丁が良いのでしょう

プロでも無ければ、お肉を切るだけのために包丁にこだわることはないでしょう。
でも、あえてお話するなら、「牛刀」や「筋引き」などの洋包丁がおすすめです。

刃渡りは、20cm程度ある方が、楽にきれいに切れるでしょうが、ご家庭のまな板にはちょっと大きかもしれません。そして、刃幅は狭いほうが包丁を動かしやすいので、筋を引いたりするときにも使いやすいです。
また、刃は薄いものが良いでしょう、切れ味も鋭くなり、肉の断面もきれいに切れます。

しかし、切れ味の落ちた包丁を使えば、野菜をきれば苦味やえぐ味を増やし、マグロなどでは旨味が減るなどとも言われます。どんな包丁を使っても、きちんと手入れしなければ切れ味は落ちてしまいますから、手入れもお忘れなく。

柔わらかいお肉のための切り方も注意は必要

上記に調理する前に、お肉の繊維を短くなるように、繊維に対して垂直に包丁を入れる、ということをお話しました。しかし、注意していただきたいこともあります。それは、お肉の繊維を短くするということは、調理したときに柔らかくなる反面、肉汁も流れやすくなるということです。

そのため、赤みの多い肉、もも肉、かものロース肉などは、塊の状態で調理し(焼いたり、煮たり火を通す)、粗熱をとってから繊維を断ち切るように包丁を入れることが
美味しいお肉になることもありますので、そのあたりはあしからずご了承ください。

また、豚のロース肉を調理する際に、よく言われる筋切りもお肉を柔らかくする切り方となります。
赤身と脂身の間にある筋、膜のようなものを、調理する前に何箇所か切り込みを入れておきます。
こうすることで、お肉が反り返ることがなくなるので、とんかつにしてもソテーにしてもキレイに食べやすく出来上がります。

肉の繊維については、別の機会にまたお話しようと思います。
面白い話ではないかもしれないので、興味がある場合、みてみてください。

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