熟成肉、おいしい牛肉をつくる2つの方法

熟成肉、おいしい牛肉をつくる2つの方法
牛肉

ドライエイジングでおいしい熟成肉をつくる

おいしい牛肉を作る方法に熟成があるが、特に赤身肉をおいしくするために使われ、特に最近は注目を集めています。
うま味成分を作り出すために、牛肉のタンパク質を酵素の力によってアミノ酸に変える、これが熟成=エイジングですが、
特に長期における熟成をかける場合は、ドライエイジングを使いおいしい熟成肉をつくる事が多く、海外では多く使われます。

ドライエイジングは、欧米で発展した伝統的な熟成方法で、温度や湿度、風を調節する。1℃~2℃に調整した貯蔵室で、1ヶ月ほど風を当て続け肉が含む余計な水分(自由水)を飛ばし、タンパク質やミネラルを凝縮させる。
そして、乾燥が進む過程で付着する特定の微生物が生成する酵素は、凝縮されたタンパク質をうまみ成分のアミノ酸に変える、日本の魚の干物と同様のやり方でもあります。
もともと欧米では、水分が多い赤身肉が多く、この赤身肉をいかにおいしく肉・柔らかい肉にするか、が始まりと言えます。

このドライエイジング、短所もあります。それは、牛肉の歩留まりを下げてしまうことです、時間をかけてドライエイジングでおいしい熟成肉をつくると、牛肉の重量は軽くなり、風を当て続ける牛肉の表面は乾き、カビなどもに付着する。
そうなれば、そのような部分はトリミングしなければならず、歩留まりは下がります、実際熟成をかける前からすると、6割くらいになってしまうこともあります。

手間もかかるし、採算も合いにくい、そのため日本国内ではあまり注目されなかった技術ですが、バブルの頃くらいから、よりおいしい牛肉を求めて使われるようになりました。
その頃は、和牛での需要が高かったようですが、和牛は熟成させなくても柔らかいし、その手間や採算の悪さから、バブル崩壊後は和牛での熟成は減りました。

加えて申し上げると、ドライエイジングの日本版?、日本にも熟成の伝統もあります。「枝枯らし」と呼ばれる手法で、枝肉のまま風を当てずに熟成させるものです。
枝枯らしではドライエイジングでは付着しない微生物もつき、ミソのような香りが出ます、それにただ寝かせておくだけでは有害な微生物も付着しますし、腐った肉になってしまいます。
そのあたりが、熟成技術のポイントになってくるわけですね。

話をもとに戻し、ドライエイジングですが、最近ではこの技術は、和牛より価格の安い交雑牛や乳牛を熟成させることに使われることが多いです、
赤身肉のおいしさをあげて、その付加価値を高めることが熟成の目的となっています。消費者の趣向が、今までの霜降り肉一辺倒から健康志向にも変わり、赤身を好む人が増えていますし、肉の食べ方も今までよりも肉をしっかり食べるような変化もあります。
この流れにもドライエイジングはあっているのですね。

ウェットエイジングでおいしい熟成肉をつくる

ウェットエイジングは、ドライエイジングと違い外気にはふれさせないように真空パックにしたり、さらしを巻いたりして0℃~2℃の貯蔵室で寝かせるというものです。
もともとは輸送の際の肉の劣化を防ぐための保存方法が、この状態で肉を数日寝かせると肉質がやわらかくなり、うま味が増すことがわかりウェットエイジングとなったイメージです。
極端な話、ドライエイジングと違い一般家庭でも挑戦できそうな感じですが、温度管理は一般家庭では少し大変ですね。

このような、手軽な感じもあり歩留まりを下げることもないので普通に国内で利用されている方法でもありますが、肉の柔らかさは増すものの、風味などの向上はありませんし、ドリップが多く出てしまうというマイナス表現もあります。
ドリップとは、肉の旨み成分である肉汁のことともいえ、それが出てしまうということは、それだけ旨みが減ってしまっているという事にもなりますので。

熟成肉という商品価値は、上がっています

熟成肉という商品価値は、上がっています

若い人ばかりでなく、また男性ばかりでなく女性も一人でステーキ屋さんで、食事ができる環境が整ってきました。特に女性にとっては、いままでは少し遠慮し我慢していた食事にもひと目を気にせず食べられる良い時代でもあります。
お肉に関しては、まさに、ガッツり系と牛肉をモリモリ食べる人が増えてもいます。それを支えている役割が熟成肉にもあります。

熟成肉という商品価値は、上がっています、商品だけでなく言葉にもその力がある時代となり、飲食業界なども対応してきています。
大手外食チェーンも活用を始めた。ファミリーレストラン大手のロイヤルホールディングスは「ロイヤルホスト」や「カウボーイ家族」で熟成肉のステーキを提供していますし、牛丼で有名な吉野家さんも牛丼の牛肉を熟成肉に変えたようです。
熟成肉を謳い文句にしたメニューを良く見かけるようになりました。

消費者の立場で、間違ってほしくないのは熟成肉の違いなんです。どちらがいい、悪いではありませんが、多くのお店はウェットエイジングの熟成肉を使っていることが多いので、
それだけで、熟成肉を判断してほしくはありません。前述のように、ドライエイジングとウェットエイジングでは、熟成でも似て非なるもの、それぞれをご自身の舌で判断してほしいものです。

最後に熟成肉なら全ておいしいのか?という話です。
特にドライエイジングの熟成肉を使っているところは、金額もそれなりに上がります(手間・歩留まりを考えれば仕方がないことですね)。
でも、個人的な感想ですが、この技術が本当に生かされるのは赤身系のお肉だと思います。サシのしっかりはいった部位を熟成にしてもそれほどの価値が感じられません。
でも、それぞれの体験の中で、判断していただければよいのではないか、ともおもいますが。

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