ハム・ソーセージ等の発色剤について

ハム・ソーセージ等の発色剤について
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発色剤は、肉、肉加工品、魚卵などの変色・腐敗を防ぎ、鮮やかな色に変化させることが出来る食品添加物です。
主に亜硝酸ナトリウムが使われ、硝酸ナトリウム・硝酸カリウムとあわせ3種類の使用が認められています。
発色剤の使用にも、様々なお話があります。その一端でもご紹介できればと思います。

 

ハム・ソーセージ等の発色剤は、どう使われる?

発色剤は、肉、肉加工品、魚卵などの変色・腐敗を防ぎ、鮮やかな色に変化させることが出来る食品添加物です。
主に亜硝酸ナトリウムが使われ、硝酸ナトリウム・硝酸カリウムとあわせ3種類の使用が認められています。

ハム・ソーセージ等の場合、発色剤は、製造過程の塩せきの工程で使用されます。
原料のお肉、食塩、調味料などと一緒に低温にて漬け込みますが、その時に原料肉の色素タンパク質「ミオグロビン」「ヘモグロビン」と結合して
製品を薄い赤色に固定します。

発色であり、着色と違うのは、色を付けるわけではなく、もともと肉の持っている赤色の色素を固定する、ことにあります。
そうすることで、褐色(生のお肉を加熱すると変わりますね)よりも鮮やかな色でおいしそうに見えるわけです。
発色剤と着色料の違いを、発色剤は、ニスを塗る、着色料は、絵具出色を塗る、などということもあります。

ハム・ソーセージ等の発色剤の効果・役割

ハム・ソーセージ等(食肉加工品)の発色剤の効果・役割は、上記の色を鮮やかに固定する以外にもあります。
それは、

・ハム・ソーセージ等特有の風味を作り出します。熟成香などもその一つ

・原料のお肉の臭みを消します。獣臭さもありますが、豚肉を加熱した時にでる特有の臭みもそうです。
調理のときには、臭み消しにネギや生姜を入れたりしますが、亜硝酸塩は、この臭いの発生も防ぎます。

・ハム・ソーセージ等は製品の製造工程からも、食中毒菌で嫌気性細菌(酸素のない場所でも増殖する菌)のボツリヌス菌の影響を
受ける可能性がありますが、発色剤は、ボツリヌス菌の発育阻害、毒素抑制効果があります。

・豚の脂肪は、酸化しやすいですが、これは豚の脂肪が酸化しやすい不飽和脂肪酸を多く含むためですが、発色剤の亜硝酸塩は、この脂質酸化が起こりにくくします。

ハム・ソーセージ等で発色剤を使用しないと

ハム・ソーセージ等で発色剤を使用しないと

ハム・ソーセージ等(食肉加工品)の発色剤を使用しない製品というと、いわゆる「無塩せき」と言われる製品たちになります。
「無塩せき」商品は、色自体も加熱したお肉のような褐色ですし、原料肉の臭いもします。
また、一般的に、日持ちもしないので、発色剤の効果と真逆のようになりますが、当たり前ですね。

とは言え、昔から発色剤を使用していたわけではなく、昔は「岩塩」を注目していました。
それは、岩塩を使用してつくるハム・ソーセージ等は、風味もよく色もきれい、そして食中毒もおこりにくい、ということが経験則で知られていたからです。

その理由は、後の研究であきらかになったのですが、岩塩に含まれる不純物に「硝酸塩」があり、それが原料肉との反応で亜硝酸塩になり、発色剤のような役割を果たしていたということでした。
そのため、食品添加物として、亜硝酸ナトリウムが使われるようになったとも言われます。

色々と言われる中で、では「岩塩」を使えばよいのでは、という声もあります。
現実にそういった趣向の商品もありますが、基本的には天然成分の岩塩では、その効果に安定性はなく難しいという現実があります。

発色剤を絶対に使用しないほうが良いか、というと、いささか難しいところがある。
特にハム・ソーセージ等は保存期間が長いのも使用する立場では便利な一つですが、過去にヨーロッパでは発色剤不使用のハム、ソーセージを食べて食中毒を起こし死亡する、という事故も起こっている。

ハム・ソーセージ等の発色剤、その安全性は

ハム・ソーセージ等(食肉加工品)の発色剤、その安全性について良き言われます。
「亜硝酸ナトリウム」に発ガン性物質生成の可能性があるといわれていますので、これを気にする人も多いでしょう。

「ハム・ソーセージ等と発がん性物資」のところでも述べましたが、
食品安全委員会や国際的機関の治験から、食品衛生法にて発色剤の使用を製品の残存量が0.07g/kg、70ppm以下になるよう制限されています。

これは、国際的機関が無害と確かめた量(無毒性量)の通常100分の1を、毎日食べ続けても安全な量(1日摂取許容量)とし、さらにこの量よりずっと少なくしたりょうになります。
また、製造メーカーにおいても、この食品衛生法に定められた使用制限より、さらに少なく使用する自社の基準を設けている企業も少なくありません。

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