お肉を柔らかくする方法は、大きく分けて3つあります

お肉を柔らかくする方法は、大きく分けて3つあります
牛肉

なぜお肉は、固くなるのか

もともとお肉は、やわらかいものですが、調理により火が通ると固くなることが多いです。
おいしい肉の基準に、「やわらかいこと」が入ると考える者にとっては、これは致命的なことです。
では、なぜお肉に火が通ると固くなることが多いのでしょうか。

その訳は、加熱によって細胞を構成しているタンパク質が変性し、線維状に固縮するから、という事になります。
タンパク質にもいろいろですが、ほとんどのものは60℃くらいでかたまり始めますし、80℃をこえれば、瞬間的に?固くなります。
また、火を通しすぎると肉の内部から水分や油分が抜け出し固くなります。このことから火を通す事による肉の温度や時間に注力が必要なことがわかります。

とは言うものの、お肉は加熱することで衛生面確保、殺菌の役割を果たすことがありますから、そのルールからいきますと75℃以上で1分の加熱は必要となります。
但し、牛肉の場合は、細菌がおもに肉の表面に付着していることが多いので、表面だけの加熱処理で衛生面の危険はかなり低くなると言えます。
同じ牛肉でも、成型肉やひき肉を固めたハンバーグなどは、中にも外気に触れたものがはいっているのでしっかりと火を通す必要があります。

「しっかり煮込む方法」

「お肉を柔らかくする方法」は、大きく分けて3つあります

さてお肉をやわらかくするには、下処理的におこなう、「お肉の線維を切り方法」・「酵素利用する方法」と、調理としておこなう「しっかり煮込む方法」の3つです。

「お肉の線維を切り方法」とは

特には、厚いお肉の調理(ステーキ・カツレツなど)に下処理として、肉叩き、なければビール瓶の底などでお肉を叩くことによって筋肉繊維をやわらかくし、調味料などもしみ込みやすくします。
特にすじの多い部位(牛スネ・牛もも・牛バラ等)には、テンダライザーという肉筋切り器のようなものを使って全体の筋線維を切ってしまうことも必要となります。
これについても代用として、フォークを突き刺したり、包丁で表面に切れ目を入れる方法も使えます。

「酵素利用する方法」とは

タンパク質分解酵素の力を借りて、お肉にを柔らかくする方法です。パイナップル・キウイフルーツ・玉ねぎ・パパイヤ・なしなどをすりおろしたものや絞り汁、ミジン切りにしたものの中に牛肉を漬け込むことによって
お肉が柔らかくなります。これについては、30分くらいの漬け込みで良いと言う意見もありますが、完全に柔らかくしたいのであれば、12時間程度前から下処理してほしいです。
このような酵素系には、変わったところ?で「舞茸」の利用があります。この場合はミジン切りやちぎった舞茸をお肉にまぶしてラップで包むと良いです。
これらの酵素系は、特に玉ねぎや舞茸がそうですが、比較的安価で使ったあとにも料理にも使えるという優れたところが好きです。

漬け込む方法としては、この他にもヨーグルト、炭酸水、重曹などを使う方法(最低1時間はほしい)もあります。
ヨーグルトは、密閉できる袋(ジップロック等)に肉とともに入れておく、炭酸水には、お肉を漬け込む、重曹の場合は、水250mlに重曹小さじ1を混ぜタモに漬け込む
これだけです。
注意いただきたいのは、炭酸水は新品でなく余ったもので大丈夫、重曹は、必ず「料理用」のものを使うということでしょう。

「しっかり煮込む方法」とは

この方法は、昔から誰でもよく知っている方法ですね。お肉は煮込むと最初はどんどんと固くなります、でもそこを越え煮込み続けることによって柔らかくなります。
所要時間は最低弱火で2時間くらいはほしいです、できれば3時間かな、という感じです。

鍋は、圧力鍋で時間を短縮という方法もあります。個人的には時間をかけて調理したい派です。その場合は、鍋は厚手のものを使用してください、温度の維持が違います。
また、しっかり煮込む方法では、やはり薄いお肉は不向きです、肉自体が溶けてしまいますし、溶けなくてもうま味や水分が溶け出しやすいからです。やはり塊肉などを煮込む前に下準備として肉の表面を油で軽く炒めてから煮込むのが良いでしょう。
そうすれば、肉の型崩れもしにくいし、うま味成分も溶け出さずに中に残り、やわらかくしあがります。
(また、煮込む際には必ずアクが出ます、特に最初のうちはしっかりと取りましょう、雑味のもととなります)

煮込む方法には、コトコトと弱火で長時間の煮込みが基本ですが、緩急?をいつける方法もあります。30~60分煮込み、いったん火を止め、鍋の中でゆっくり冷ます、冷めたらまた火を入れ高温にしたら、また冷ますこれを何度か繰り返すというものです。
こうすることによって、冷めるときに味もしみ込み味の深みがまします。シチューなどの煮込み料理が2日め以降により美味しくなった、というのもこのケースでしょう。
私はコトコトと煮込みと緩急方法を、その調理によって使い分けたり、合わせ技で使ったりします。牛すじの煮込みなどは、1日目にしばらく薄味で煮込み冷まし、2日目に再度煮込み味の調整をして食べる、そんな感じでしょうか。

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