アジアの鶏料理は、一羽まるごとなど使い方もさまざま
日本の鶏料理では、正肉メニューが多い
日本の鶏料理は、今までも様々述べてきましたが、部位別に肉質や味が異なるため、それに合わせた調理方法が多いように思えます。
ましてや、から揚げ、竜田揚げ、フライドチキン、焼鳥、チキン南蛮など主力の正肉、モモやムネを中心に使われる調理方法の有名メニューが多いように思えます。
骨付き肉を使わないわけではありませんが、スーパーなどの普通に買い物する肉屋さんでも、正肉が中心になって売られていますよね。
ところが、ところ変わればではないですが、その他アジアの国では、違うように思えます。
(そういえばですが、正肉とは、鶏肉の場合(食鶏取引規格)では、ムネ肉とモモ肉の骨を外した状態を指して用いて、モモ正肉、ムネ正肉という使われ方をします。
流通用語なので一般家庭で使われることは少ないかもしれません。また、豆知識?ですが、焼鳥屋さんでは、「正肉」を「せいにく」と読んだ場合は特に鶏モモ肉を指します。
焼鳥の歴史を見るとブタの内臓などを使っていた時代があったことから、鶏肉のモモ肉を「正肉(せいにく)」と呼んだものと思われます。
北海道では、トリ正肉・ブタ正肉と正肉(せいにく)には何故か豚肉もあってブタ正肉は豚バラ肉になりますが、こちらは。以前お話しした「やきとり屋」さんの関係でしょう)
アジアの国々の鶏料理では、まるごとや骨付きが多い
例えば、仕事柄、中国の肉事情を見聞きすることも多いですが、確かに、鶏に限らず牛でも豚でも、中国では、骨付きのものが大切にされます。
これは、主に食べてきた料理・調理方法によるのでしょうが、もともと煮る・炒めるが日頃の食事には多いように思え、その場合は骨付きのほうがよく味が出て美味しいのもわかります。
中国では、上海・北京・大連などいわゆる都市でも、デパートなどの高級店であっても、その中の肉売場では、豚を中心に骨付きの部位を、大きな包丁で骨をバンバン切って販売するコーナーがほとんど存在しているようです。
日本では、考えられないことですね。
また、中国料理や韓国料理では、鶏を一羽まるごと使う料理があります。内蔵をとったおなかの中に、肉・野菜・豆類などを詰め込んで調理します。
煮込んだり焼いたりと一羽まるごとですから、ちょっと贅沢な料理でしょうから、人が多く集まる宴会などで提供されること多く、各自で食べる分をとったりします。
韓国料理では、一羽まるごと料理で、一番有名なのは、参鶏湯かもしれません。
参鶏湯にはエピソードがありますので、また別の機会にさせていただき、今回は「タッカンマリ(タッハンマリ)」です。
この料理、寒い冬にいただくと非常良いお料理で、辛いものが苦手な方でも食べられる、日本人にもありがたい韓国料理です。
「タッ」とは「鶏」、「ハンマリ」は「一匹、一羽」という意味で、そのまま日本語にすると、「鶏一羽」となり、まさに鶏まるまる一羽をにるお鍋です。
韓国では、タッカンマリを食べさせるお店が10店舗以上集まった場所もあると聞きますが、スープや中に入っている具、つけダレなどがお店によって違いいろんな楽しみがあるそうです。
お鍋に入れられる具は鶏一羽、ネギ、ジャガイモ、ニンニク、トッ(韓国餅)などは一般的で、それ以外に漢方を加えたりします。
日本で言えば、鶏の水炊き風ですが、つけて食べるタレが、やはり韓国です。
薬味入りコチュジャン(唐辛子味噌)、醤油、マスタードなどを合わせたタレに、ニラを入れそれにつけて食べます。
個人的には、ニラが必要かはわかりませんが、食欲をそそる味であります。
忘れてならないのが、しめのうどんです。
タッカルグクス(鶏スープの韓国式ウドン)は、どんなにお腹が一杯でも食べてしまいます。
強者は、うどんを食べたあとの残り汁を使い、ポックンパッ(焼き飯)まで作ってもらい食べていました。
インドには、タンドリーチキンがあります
インド料理のタンドリーチキンは、日本でも有名ですが、これも骨付きのもも肉を使います。
ヨーグルトやウコン、香辛料に骨付き肉を半日くらい漬け込み、柔らかくし(乳酸や乳酸菌の作用で肉の組織に空洞ができ柔らかくなります)、インドカレーのような風味でいただきます。
ちなみに、骨付き肉ではなく、鶏肉を切って串刺しで焼く同様の料理は、チキンティッカと呼びます。
ご存知のように、インド人の多くがヒンズー教徒で牛肉・豚肉を食すことを避けるため、インドで肉料理として親しまれているのは主に鶏肉や羊肉となるわけです。
タンドリーチキンは、もともとは王朝料理であったものが広まったといわれています。
ご家庭で、タンドリーチキンをつくるなら、おすすめするのは、カレー粉です。
現地風に、こってつくるなら、コリアンダー・クミン・カルダモンetcといろいろ使うのでしょうが、簡単にいくならカレー粉がベストだと思います。
簡単レシピは、また別の機会に。