ヨーロッパの人は、もともと肉食ではなかった?!

ヨーロッパの人は、もともと肉食ではなかった?!
世界事情

日本人は、農耕民族とということは理解していますが、ヨーロッパの人たちは狩猟と肉食というイメージがあります。
年代でおわかりにらない方も多いとは思いますが、まさに「はじめ人間 ギャートルズ!」のマンモス追いかけ、捕まえて、食べる。これが、イメージとして子供の頃からありました。

肉文化を気候風土から考える(肉と気候)

ヨーロッパは乾燥地帯にあります。日本のような温暖で湿潤な気候ではなく、
当然ながら日本とは、気候も農業のスタイルも違ってくる。
降水量をみても、ヨーロッパの主要都市は日本の2分の1から3分の1程度となっています。

となると、農業の面でみると雨量に左右される穀物の生産量もかつては日本より低かった。
草はほっておけば勝手に生えてくる、牧草地となります。

自然に生える草は、牛や羊、山羊など草食動物には格好の飼料となります。
雑食動物の豚もまた、森林に放しておけば、木の実などををえさにして育ちます。

農耕とは別の放牧による畜産が発展した理由もそこにあります。放牧された家畜の糞尿はそのまま飼料となります
麦は連作障害をおこしやすい植物ですが、放牧と麦作を交互に繰り返す、穀草式農法が行われるようになります。
家畜の糞尿から作られる肥料によって麦畑の地力が回復するというお互いの補完がそうつながったのです。

そこから、耕地を春まきの大麦とえん麦、秋まきの小麦とライ麦、放牧の3つに分けて
毎年交互に使うことで連作障害を防ぎ生産効率を高める三圃式農法へ12,13世紀には変化していきます。

生産効率が非常に高まり、麦・家畜ともに飛躍的に伸びていきますが、
そこには、単なる自然草ではなく飼料価値の高いクローバー、ルーサン、ライグラスなどが
栽培されるようになったことも起因します。

そして18世紀から19世紀にかけ農業革命により
麦⇒クローバー⇒飼料カブ⇒てんさい⇒じゃがいも⇒トウモロコシ⇒エンドウ⇒麦という循環がうまれました。
このことが、牛・豚・羊などの家畜のえさも確保されより家畜の生産量も増えていきます。

肉文化の革命?、肉料理の変化

ヨーロッパにおける肉食は決してもとから主流であったわけではありません。
肉料理がたくさん食べられるようになったのは(肉文化革命)、
15世紀の大航海時代が始まりで香辛料をインドから直接入手することをきっかけとなります。
この時代の肉料理には、食味値の向上と腐敗防止の両面で香辛料の輸入は必須でした。

香辛料が気軽に手に入るようになると、ソーセージなどの食肉加工も一般的になりました。
さらに新大陸の発見により、じゃがいも栽培がヨーロッパに広くもたらされ食糧事情も
良くなるばかりか、飼料事情も好転して豚の越冬飼育が可能となりました。

19世紀後半には、冷蔵技術の進歩等によって本格的な肉食文化が花開き、
肉文化の革命は落ち着くのです。

ヨーロッパ人にとって、肉は貴重な食料であり肉料理にも無駄はありません。
頭のさきから尾のはずれまで、骨や脳、内臓、血液に至るまで余すことなく肉料理と
としました。

保存加工食品としてのハム、ソーセージ、ベーコンなども
各国その独自の進化を遂げ多彩な肉料理へと生まれ変わっていくのでした。

人気の肉料理、ソーセージは

ソーセージの本場・ドイツ、1500種類を超えるソーセージがあるといわれています。
当然、食べ方もそれぞれな各地方特産のソーセージがあるわけです。

特に有名なのは、ミュンヘン(南ドイツ)の「ヴァイスブルスト(白いソーセージの意味)」。
このソーセージは、金曜の朝に作り、正午の鐘が鳴る前に食べるのが伝統だそうです。

調理方法は必ずボイル。スープでゆでることもあります。
食べ方は、ナイフで横長に切り開いて皮をはがし、ハニーマスタードをつけて食べます。
ヴァイスビア(白ビール)とともに、なんてまさにドイツの肉料理ですね。

最近日本でもデパートでよく見かけるようですが、「デリカテッセン」は、
「流行の、おしゃれな、新しいフードを提供するお店」というのがもともとで、
実はその発祥は、イタリアだといわれています。
それもイタリアのソーセージ屋さんであったそうです。

今でもソーセージは品揃えの中心。
店頭には、形も色もとりどりに豊富な種類のソーセージが並ぶようですが、日本では少し違うかな。
ソーセージばかりでなくさまざまな惣菜も日本では並びます。
肉料理においても、直輸入状態では、違いが出てしまいますね。

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