肉が臭い、クレームがきた、あなたならどうしますか(スーパーあるある)

肉が臭い、クレームがきた、あなたならどうしますか(スーパーあるある)
ビジネス

すじ肉が臭い、現場から依頼で、顧客対応をしました

先日、お肉を納めさせていただいているスーパーさんから電話が入りました。お客様が肉が腐っていると怒っている、すぐに対応してくださいと、なにか相当に焦っている、どうした??
現物があるか、確認をお願いし、あればとっておいてほしい(冷蔵庫に入れ)とお伝えし、お客様にお会いしに伺いました。ご挨拶をして納得、風貌が、いわゆるそちら系のこわい人です。
よくお話を伺うと、お怒りの一番の原因は、最初に対応した販売員の方が他人事のように対応したことでした。いろいろとお話し、結論、返品・返金することでご納得はいただきました。

とは言うものの、最初は肉が腐っている、というもの、よくお話を伺うと今回が2回めだからもう我慢しなかったと。商品は、牛すじ肉、値引きされていたけど腐っているものを売るとはけしからん、現物もある確認してみろ、ということで確認させていただいた。
すぐに理解できた、そのすじ肉、牛の野性的な香りが強い、腐っているわけではなかったが、お客様いわく、近所の別の店舗でかったときにこんなにおいはしないとうお怒りでした。そのお店は、最近よくあるすじ肉も、「和牛すじ肉」とそれ以外のすじ肉を分けて(価格もわけて)販売しておられる。
こちらのスーパーは、分けることなくすべて同じで「牛すじ肉」として販売している、お客様は通常、「和牛すじ肉」を購入されているそうである。

もうおわかりの方は、いらっしゃるでしょうが、和牛の肉の香りはやさしめですが、F1や乳用種には様々なにおいを持つものがいます。人間の体臭と同じようなものです、乳臭いものもいれば、食べている餌の影響で草の臭いがするものもいます。
その香りがそのまま出てくるのわけです。今回、すじ肉が臭い、クレームになったものもそういった理由です。
今回お客様の不安を生み出したのは、値引きされていた(商品が古いという認識をうむ)、いつもと違う香りがした(いつもかっている和牛にはない香り)ということが大きいのでしょう。

ところで、肉が美味しいと感じるのは、どういうときなんでしょうか?

肉が美味しいとは、人の五感が満足すること

肉が美味しいとは、人の五感が満足すること、肉が美味しいと感じる要因は、食べ物・環境・その人の関係性だとおもいます

人は舌で感じる味だけではなく、香り、舌触り・歯ざわり(食感)、見た目(色や形)、音など五感を働かせて美味しさを感じています。
そればかりか、肉が美味しいと感じるのは、環境的な側面では食習慣や食事の環境、その人・人の側面では健康状態、空腹感、心理状態などが影響して美味しい・まずいを判断しているのでしょう。

食べ物本体に関わるものとしては食感・香り・味が重要となります。食感(テクスチャー)は、舌触りや歯ざわり、温かい冷たい、歯ごたえなどですが、以前私は「肉の美味しさは柔らかさと甘さ」と言いましたが、そこにも関係しています。
歯ざわりにおいて、かたさや弾力感は非常に重要な要素で、特に最近の食生活・食環境においてはかたいものを食べる習慣、咀嚼を繰り返す習慣が減っているので影響があるのでしょう。
肉の弾力には、筋と言われる結合組織が影響を与えています。ヒレ肉はこの結合組織が少ないですし、煮込みで美味しさをますスネ肉、そのままのすじ肉は、多いわけですし、若い牛、鶏の肉はやわらかく、年老いた牛、鶏の肉はかたいのもその性質の違いが大きいです。

香りは、そのもの・料理のにおいですが、例としては、牛肉でいきましょう。生の牛肉は生臭い香りがします、しかし加熱していくと香ばしい香りに変化します。この牛肉の香りには、脂肪の成分が関係しています。中でも和牛の肉を加熱していくと和牛香と呼ばれる独特な香り、甘い、脂っぽいコクを感じる香りが出てきますが、
これは和牛の美味しさを決定する重要な要因にもなります。和牛香を強く体験したいのなら、薄切り肉を空気中でしばらくおき80℃で加熱してみてください、一番感じられると言われています。

味については、アミノ酸、糖、ペプチド、無機イオンなどの成分が関係しています。牛肉においては、遊離アミノ酸や核酸関連物質が影響していますが、遊離アミノ酸には種類があり、酸味系・甘味系・苦味系・うまみ系に分類されます。肉美味しさにはうまみ系の遊離アミノ酸が強く関係しますが、うまみ系のアミノ酸は、低温貯蔵の熟成で増加すると言われていますが、熟成肉のうま味には納得性があるわけですね。

次回以降、もう少し詳しく肉の美味しさを追求してみましょう(笑)

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