代替肉というもの

代替肉というもの
その他の肉

最近、よく耳にする「代替肉」というもの、どう考え、どう捉えるべきなのか。
植物などの素材を肉のように加工したものと言われていますが、
お肉を日々扱う一人として、非常に難しい問題とも考えています。

代替肉について、知っていなくてはならないもの、無視はできないもの、として
スポットを当てたいと思います。

代替肉とは

代替肉と培養肉とを分けて考える向きもありますが、個人的には代替肉というくくりの中に
「植物肉」と「培養肉」というものがあると考えています。

植物肉とは、肉や魚を使わず、大豆など植物由来の原料でつくったもので、昔からあったものですが、
日本では欧米に比べると普及に時間がかかったようでもあります。

植物肉が、スーパーなど一般の消費者が目にするようになり、日本で扱われるようになった、というイメージを持ったのは2020年くらいかもしれません。

欧米では、ベジタリアン(菜食主義者)やヴィーガン(卵や乳製品といった動物に由来する製品も摂らない人)も多く、大豆など植物由来の原料を加工して植物肉は身近なものでしたが、日本ではそれほど注目されず、「カップラーメンの中の肉もどき」くらいの人も多くいました。

ところが2019年後半くらいから、環境問題が騒がれるようになり(また別に詳しくはのべます)、スタートアップ企業(新たなビジネスモデルを開発する企業)が多く参入し新商品の開発も進むと一気に植物肉への注目は増え、食品大手・食肉大手企業の参入も始まりました。そういう意味でも、培養肉とも合わせ、2020年を日本の代替肉元年、という方々も多くいらっしゃるようです。

培養肉とは、本物のお肉から細胞をとり、科学的な技術を使い筋肉や脂肪細胞として増やしたお肉のことで、家畜の肥育などと比べ地球環境にやさしいと言われています。
SDGs、持続可能な開発目標として、様々な取り組みをすすめる現在において、サステナブルな食材として世界的に注目を集めています。
とはいっても、植物肉と比べると、まだ研究開発段階といえ、実用化には今少し時間がかかりそうですが。

この分野でも最先端を走っていると言われる、東京大学とある意味この分野の先駆け、日清食品は、共同で“持続可能な肉” である「培養肉」の研究を進めています。
その研究が、培養ステーキ肉ですが、この技術の進化も別に述べたいと思います。

何はともあれ、最新技術により生みだされた「代替肉」や「培養肉」、大豆などの植物由来の原料で、本物と見た目も遜色なく作られる「代替肉」や、家畜の細胞を人工的に培養する細胞農業によって作られる「培養肉」は、いままでの「肉」というものの概念に変化を起こしていることは間違いないでしょう。

代替肉の市場や業界の動向

代替肉の市場?と言うか代替肉は、「持続可能な開発目標(SDGs)」と大きく関わっています。
というのも、持続可能な食料生産システムの開発に対する国際社会の関心が高まるなか、食に AI や IoT、ロボット技術などの最先端の技術を活用した新しい商品やサービスが生まれ、
その一例が代替肉問えるからです。

最新のテクノロジーを駆使することによって、まったく新しい形で食品を開発したり、調理法を発見したりする技術「フードテック」やIT関連の新技術を導入して農業(agriculture)に新たな可能性を切り開く取り組み「アグリテック」という分野が注目を集めている中、肉ばかりでなく、魚介類、卵、乳製品、などの動物性タンパク質からの代替品の開発が、スタートアップ企業を中心に進められていますし、それらの企業に対する出資や買収も活発化している現状です。

ちなみに前出の「フードテック」は、植物性たんぱく質から肉を再現したり、単品で必要な栄養素を摂取できるパスタを開発したりするなど、世界的に深刻化する食糧問題を解決する方法としても、大きな期待を集めています。

ところで、代替肉の市場規模はどのくらいと思われますか。
2017年時点にアメリカの調査会社は、その世界的市場規模が2023年には64.3億米ドル(約7,152億円)に達すると言っていました。
地域的には、欧州が最大の市場シェアを占め、北米、アジア太平洋地域は、中国と予測されています。

欧米諸国は、健康面や安全性に加え環境負荷や動物愛護などに配慮した商品を好むエシカル消費の広がり、中国では健康志向の消費トレンドの高まりが代替肉市場の成長要因と見られています。

植物肉の開発製造を手掛ける企業で急成長しているのに、「Beyond Meat(ビヨンド・ミート)」という会社があります。
この会社は、ビル・ゲイツ氏や俳優のレオナルド・ディカプリオ氏などの著名人が出資していることでも有名になりましたが、同社の商品は、国内のみならず、カナダ、イギリス、イタリア、イスラエルなど3万店に超えるスーパーマーケット、飲食店、学校に導入されています。

そして、以前は植物肉といえば、冷凍庫に並べられていましたが、精肉コーナーに並べられ販売される商品も増えています。
価格についても、以前の通常の肉商品より2倍程度高い時代から、どんどん下がってきています。
これは、代替肉関連のスタートアップへの投資や買収を進めてきた大手企業が代替肉市場への参入を始めているためで、世界的な食品大手の「ネスレ」や食肉企業のコングロマリット「タイソン・フーズ」もその一例といえます。

培養肉は、まずその存在を有名にしたのが、2013年にオランダの大学教授が、ロンドンで開催した世界初の培養肉バーガーの試食会でした。
このハンバーグに使われた培養肉140グラムには33万米ドル(ハンバーガー1個で約3,000万円以上)のコストがかかっていたとビックリアさせました。
まだまだどの企業もコスト高で、市場で販売するには超高級品でありますが、その削減にしのぎを削っている状態です。

日本の代替肉

日本の代替肉は、植物肉については、大手企業が様々な商品を投入し、ロッテリアやモスバーガーなどのハンバーガショップでも代替肉の導入、コンビニでも代替肉を利用した商品が流通していますが、欧米諸国と比べるとまだまだといえます。

培養肉については、ここ数年の一番お話題は、2019年3月に東京大学の研究所と日清食品が共同研究で「ステーキ肉(長さ1センチ、幅0.8センチ、高さ0.7センチ)」を開発した、というものでしょう。

日本においては、再生医療の分野でつかわれる技術が、培養肉の開発にも有用であり、技術的に優位であるとも言われていますから、培養肉を身近な商品として世の中に登場させるのは、我が国日本が一番かもしてません。

一番である必要があるのか、という問題提起がるかもしれませんが、世界一に日本がなるのは、良いことなら嬉しいことではありませんか。

 

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