トンカツは、和食ですよ

トンカツの名称は?
トンカツと言うと、
厚みのある豚のロースやヒレのスライス肉を、小麦粉・溶き卵・パン粉をまとわせて食用油で揚げた料理、と言われます。
このトンカツ、実は和食であることを知らない方が多いのです。
もともと、洋食の「コートレット」をヒントに作られたもので、コート(cote)は肋骨やあばらを意味し、肉の部位を表しています、リブロースのことです。
コートレット(cotelette)は、薄切りにされたリブロースで、乾燥したパン粉を衣にしてフライパンで焼いた料理の名前でもあります。
このコートレットが、英語のカットレット(cutllet)になり、日本で明治初期に「カツレツ」として洋食店で出されたようです。
トンカツ、和食への第一歩
洋食のカツレツを和食のトンカツに変化させた最初のスタートは、東京銀座の老舗洋食店「煉瓦亭」の木田シェフだといわれています。
ざっくり何が違うのか、何が和食なのでしょう?
一番の違い?は、当時は、洋食にはパン、和食にはご飯の時代です、そんな中、煉瓦亭では、ご飯を主食に考えてコートレットを変化させたのです。
どういうふうに変化させたかというと、
牛肉ではなく豚肉を使用・・・ビーフではなくポークカツレツとして料理し、パン粉も乾燥パン粉ではなく生パン粉を使用し、サクサク感のある食感にしました。
温野菜ではなく生野菜・・・当初は付け合せとして、温野菜を使っていましたが、時間の節約と揚げ料理との相性が良さから、キャベツの千切りにしました。
ドミグラスからウスターソース・・・洋食といえば、ドミグラスソースですから、当初をそうしていましたが、日本人にはウスターソースのほうが合うとして変更しました。

トンカツ、和食とんかつへ
現在お馴染みの厚切り肉のトンカツ(薄切り肉ではなく)に変わったのは、東京上野御徒町の「ぽんち軒」によると言われています。
これは、ウィーン料理の「ウインナーシュニッツェル」(子牛のカツレツ)を変化させたものだそうです。何に苦労したかというと厚切り肉にきちんと火を通すのに様々な方法で試み、
試行錯誤し完成させたのが、たっぷりの油でサックリと揚げれるよう天ぷらのように調理する方法です。
この方法では、時間的な優位性もあり、一度にたくさんのお肉を調理できるという利点は大きかったようです。
そして、ここで、日本人として馴染みのあるお箸での食事に合うように、箸で取りやすくカツレツを切って提供したと言われています。
これにて、和風とんかつの完成?となったのでした。
そして「トンカツ」という名前は、同じような料理を多くの店舗で提供されるようになり、豚のカツレツから「トンカツ」という名称が使われるようになり、一般化したということです。
最近は、とんかつでお箸といえば、「お箸で切れるトンカツ」みたいなものが流行りましたが、個人的には、しっかりと肉感のあるヒレカツが一番好きです。