豚肉の生産と流通の変化、国内産、外国産の気になる変化は

豚肉の生産と流通の変化、国内産、外国産の気になる変化は
豚肉

国内産豚肉の一番の変化は、畜産の、大規模化、多頭飼育化が急拡大していることです

流通面からみると、国産豚肉と外国産豚肉は現在同程度ようです。
国内では、1000万頭程度の豚が飼育されていて、
飼育頭数の多い県は、1位鹿児島県、2位宮崎県、3位茨城県、4位千葉県
5位群馬県といった状況ですが、他にも北海道が多く飼育しています。

国内生産量は、1990年度の154万tをピークに減少しましたが、2011年度は
128万tと2000年度の126万tに比べてわずかに増加しています。

また、豚の飼養戸数は、2002年の約10,000戸から2012年の約5,800戸に4,200戸程度
減少しています。1990年当時と比べれば、4分の1程度に減少しています。
そして、1戸当たりの飼養頭数は、2002年の961頭から2012年の1,667頭に
増えており、規模の拡大がわかります。

飼養頭数を規模別にみると、2012年は、肥育豚2,000頭以上を飼養するところは、
全国の飼養戸数の17%となっていますが、飼養頭数では66%を
占めています。ということは、昔ながらの中小規模経営も残っているが、
大規模経営への進んでいっていることがわかります。

国内の畜産は、大規模化、多頭飼育化が急拡大しているといえそうです。

日本で流通している肉用豚の半数近くが、外国産豚肉です

日本で流通している肉用豚の半数近くが、外国産豚肉です

豚肉の輸入量も年々増加傾向にあり、昨年も過去最大になったようです。
これは加工や外食などの需要が伸びているためですが、1971年の輸入自由化から急拡大したことは
いうまでもありません。
また、国内では14年の豚流行性下痢(PED)まん延以降、国内の生産量が
伸び悩んでいることも大きく影響しています。

日本で流通している肉用豚の半数近くが外国産になってきているようです。

国別にみた場合、豚肉の輸入シェアは、上位からアメリカ・カナダ・デンマーク・
メキシコ・チリですが、まだまだこの国々は追いつきませんが、最近はスペインも
伸びています。これは、ブランド豚のイベリコ豚の影響が大きいでしょう。

また、最近はカナダ産が増えているようですが、これは国をあげての
取り組みにもよるのでしょうが、輸出団体は、豚の品質保証を売りに日本市場に
攻勢をかけているようです。

カナダ産は国産と同じ三元豚が主流で国産と近い肉質が消費者に受け、定着してきた
という見られ方もしています。

また、輸入される豚の形態も、フローズンポーク(冷凍肉)とチルドポーク(冷蔵肉)
があり、フローズンポークが主流でしたが、最近はチルドポークの比率が若干増えて
きています(といっても60%弱はフローズンですが)。

これは、加工用にとどまらず、流通小売各社がチルドポークの取扱量を増やして
いる事にも影響をうけているようです。

ここからも冷蔵技術の高い、アメリカ・カナダ両国が強くなるのは当たり前
かもしれません、

国産豚肉と外国産豚肉の動向は、病気の影響(PEDのまん延)や流通各社の
動きにも左右されるのはわかりますが、一番心配なのは、国内生産者の動向です。

日本養豚協会は「高齢農家や資金力のない農家を支援するための事業が必要」と
していますが、生産者がいなくなれば、いくら国産が欲しくても、ままなりません。

これは、牛肉についても同じことがいえるわけですが、いかに生産者を大きな意味で
守っていくのか、これは日本の畜産、さらに食料問題の、
喫緊の課題とも言えるのではないでしょうか。

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