50年前と比べお肉を10倍近く食べられるようになった日本人

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栄養のかたまりというべき食品、お肉とは?!(肉料理の栄養?)

最初は、特にかたいお話?です。
お肉といっても一言では言い切れません??
生々しい?言い方をすると、お肉(食肉)は、動物の筋肉です。
つくりの違いから、横紋筋と平滑筋に分けられますが、骨格筋(骨についていて体を動かす筋肉)と心筋(心臓を作る筋肉)は、横紋筋に属するし、消化管などが分布するのは平滑筋といいます。つまり、いわゆるホルモン・ハツ・ノドスジなどの内臓肉も含み食用とする筋肉がお肉(食肉)ということになるわけです。

また、種類でいうなら、家畜となっている牛・豚・馬・山羊・羊、家禽となっている鶏・カモ・アヒルなどがメインですが、最近流行りのジビエや外国で主に食されるワニ・カンガルーなどもあります。
とはいっても、豚肉・鶏肉・牛肉の流通量が大半で全体の99%となり、それ以外はわずか1%程度といわれます。

良質なタンパク質である食肉は、種類によっても異なりますが、だいたい、水分65~70%、タンパク質20%、脂肪10~15%、無機質1%となっています。
人には欠かすことができない必須アミノ酸を豊富に含み、ミネラル(カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・リンなど)も多く含んでいるしビタミンも含む栄養価の素晴らしく高い食品です。
但し、3大栄養素となる炭水化物はほとんど含まれてはいないということはありますが。

外食産業は食肉の消費を左右する!(肉料理と外食)

30年前くらいまでは、お肉を食べる(食肉の消費)といえば、生肉をお肉屋さんやスーパーで購入し、各家庭で調理をして食べることが大半でした。それがその後は、特に鶏肉や牛肉は焼肉店やファーストフードなどの外食産業やお持ち帰り惣菜などでの消費も増え続け、食肉消費の約60%を占めるようになっていきました。外食というものが、食肉消費動向に大きな影響を及ぼすようになったわけです。

そう私などは、肉の外食といえば10代からマクドナルド・ロッテリア、吉野家、そしてファミリーレストラン、焼肉屋、中華屋さんなど高級店でなくてでも、たまであった気がします。
我が家は、外食といえば家では食べられないもの?それ相応の技術を必要とするものを食べに行く(そうなるとある程度高額なお店となり)、というものであったからめったに外食にいくことはなかったです。前述のようなところへは友達との思い出です。

ちなみに食肉の消費構成割合というものを見ると、2016年データですが、家計消費+加工向け+外食業務用の割合は、牛肉32+5+63、豚肉50+24+26、鶏肉40+7+53となり畜種ごとの特徴があります。
牛肉の外食業務用割合の高さは顕著ですし、豚肉の加工向けの高さ、鶏肉の家計消費と外食業務用のバランスなどそれぞれ面白いですね。
牛肉消費における業務用・外食などの割合拡大は、近年、訪日外国人観光客の伸びによる外食関係への消費増加の影響が背景にあると考えられるようです。また、牛肉に比べて相対的に
低価格の豚肉と鶏肉は、牛肉の価格が高騰している状況のなかで、健康・低価格志向などの影響もあり、家計での消費が増えていることに要因があるようです。

外食産業の売上の推移をみると、2011年はユッケ食中毒事件や原発事故に伴う放射性セシウム問題により、特に焼肉店での消費減少が顕著となりました。
でも、これは何も外食に限ったことではなく、スーパーなどの販売でも病気や事故の消費に対する影響は大きく、全てにおいて同様の傾向になったわけです。
その後も2014年に前年比99.8%とわずかに下回ったものの、2017年まで前年をこえ続ける売上金額を示しています。

とはいっても、外食産業全体では、一部のハンバーガーチェーンにおける輸入食材などの品質・衛生問題により売上を大きく落としたことなどから、前年同月を下回る月が続くときもありましたが、焼肉店は客数、売上高とも前年同月を上回って推移しています。
業態別みると複雑になりますが、2015年以降3年では、パブレストラン・居酒屋といった業態以外は前年を上回っています
(ちなみに、それ以外の業態は、ファーストフード 、ファミリーレストラン、ディナーレストラン、喫茶、その他となります)。

また、時代と社会の変化?により、女性の社会進出が活発となり、中食・外食における食肉消費は今後も伸びていくことが見込まれます。
外食・中食分野における近年の動向をみてみますと、外食産業の市場規模は、2000 年の 27 兆円台から 2011年の約23兆円まで縮小し、その後、2015年の25兆円台まで回復しています。
また、持ち帰り弁当店や総菜、ファーストフード店などの中食産業の市場規模は2000年の5兆円台から増加傾向を維持しており、2015年には約7兆円に達しています。
外食・中食の市場規模は、全体的に拡大しているといえますが、2011年以降の外食・中食市場の規模の拡大は、1回当たり支出額の増加によって導かれたと考えられることから複雑な側面もありそうです。

いつまで増加し続ける食肉の消費!

農林水産省の「食料需給表」にみると、日本人の食生活はこの 50 年余りで大きく変化してきたことがよくわかります。
1960年には1人1年当たりの食肉(牛肉・豚肉・鶏肉)供給量はわずかに3・5kgでしたが、2013年はその 10 倍の 30 kgとなりました。

一方、日本人の主食である米は115kgから 57 kgに、魚介類は 28 kg(2001年には 40 kgまで増加)から 27 kgにとそれぞれ減少しています。

日本人はご存知のように魚を好んで食べていましたが、食の欧米化が進むなか、食肉をより多く消費するようになりました。
魚介類の消費が減っている理由には価格の影響も大きいと思います。昔は、魚介類は安く手に入っていましたが、世界的に需要の増加もあり、価格が上昇し続けているからです。

厚生労働省の2013年の国民健康・栄養調査では、1人1日当たりの肉類の摂取量は90g、魚介類は73gとなり、10年前に比べて、どの年代においても魚介類の摂取量は減少傾向、肉類は増加傾向にあります。

年齢階層別で見ると、60~69歳の肉類摂取は、2003年との比較で34%増の77g、70歳以上では同39%増の63gと総計の伸び率が16%増で、いずれも高い伸びを示しています。高齢化が進み健康への関心は益々高まっていますが、高齢者にとって、重要なタンパク源として食肉が認識されてきていることも伺えます。
最後に、総務省の「家計調査報告」によると、全国1人当たりの食料品支出は、ほぼ横ばいで推移しているなか、食肉の購入金額はいずれも前年を上回っていることから、食肉が他の食料品と比べて需要の落ちにくい食品であることも伺えます。

以上のことからも推察しますと、食肉の消費は、何か特殊なこと?が発生しない限り、しばらくは落ち込むことはないように思えます。

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