最先端の豚肉、系統豚・四元豚・ハイブリット豚とはどんな豚か。

最先端の豚肉、系統豚・四元豚・ハイブリット豚とはどんな豚か。
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均一な粒ぞろいの豚を送り出すための「系統造成」、「トウキョウX」も系統豚です。

豚肉には、品質の均一性を求めるむきが多い、そこで品質の均一性と
おいしさを兼ね備える豚を提供するために様々な事が行われています。

そのひとつは、「系統造成」と言われるものですが、
豚肉が市場に出ていく過程で、よく問題なになるのが安定していない事にある。
同じ品種でありながら発育の速度や、肉質に差があり問題となるわけです。

そのため、均一な粒ぞろいの豚を送り出すために「系統造成」が
行われるわけです。
「系統造成」は、一定の血縁関係の豚の集団(系統)を閉鎖して交配を行い、
その中から遺伝的能力(繁殖や肉質など)に優れた豚を選抜し
これを世代を重ねて繰り返すことによって血縁を高め、遺伝的に近い系統豚の
集団を作る品種改良といえます。

1979年に茨城県の「ローズ」が初めて系統豚として認定されましたが、
今では約80系統あり、有名なところで東京Xの「トウキョウX」も系統豚になります。

四元豚とは、四元交配により生み出される交雑種です

そうです最近は「四元豚(よんげんとん)」という言葉も聞きます。
三元豚と同じような理解で、四元交配により生み出される交雑種です。

雑種強勢効果を更に強めるために行われますが、ここでの有名銘柄は
「シルキーポーク」です。
アメリカペンシルバニア州チェスター地方原産の「チェスターホワイト種(CW)」
大ヨークシャー種(W)を交配、その一代雑種にランドレース種(L)を交配、
次にデュロック種(D)を交配しうまれた{(CW☓W)×L}×Dが
四元豚シルキーポークです。

美しい桜色とやわらかい肉質が実現。サシと言われる霜降りが特徴で、
臭みもしつこさもなく、脂が軟らかくて優しい甘みのある良質な豚肉、と
いわれています。

この四元豚、シルキーポーク主流でした?が、最近では北海道にて
「夢の大地四元豚」もうまれて少しずつ人気もでているようです。

「夢の大地四元豚」は、ランドレース種(L)×大ヨークシャー種(W)×
デュロック種(D)×バークシャー種(B)と交配したLWDB という四元豚

今までのものより赤肉産出量が多く、その赤肉に脂が入り旨味も引き出して
いる豚肉なそうです。調理後にお肉が冷めても、旨味が落ちない、という
ことで飲食店さんが利用されていたりします。

ハイブリッド豚とは、自然交配をベースに計画的につくった雑種の豚です。

最後にいかにも、らしい名前ですね。
遺伝子工学などを駆使し、遺伝子を操作し作り出した、というわけでも
ありません。
あくまでも自然交配をベースに、「一定の目的のために」「一定の方法で」
計画的に交配したもので、無計画に交配した雑種とは全く違うものです。

ようするに、肉質がよく繁殖能力にも優れ、ばらつきもなく病気にも強い
人間にとってありがたい優秀な豚を計画的につくった雑種の豚です。

三元豚でも四元豚でもある意味ハイブリット豚と言えるわけですが、
あえて分けて記載したのは「海外ハイブリット」と呼ばれる海外産の
品種と分けたいためや育種会社独自の様々な品種を組み合わせて作って
いるので、そこを区別したいためでもあります。

オランダの「ハイポー豚」、イギリスの「ケンポローポーク」などが
有名ですが、こうした海外ハイブリット豚の種豚を提供する企業は、
畜産資材や飼育管理方法のマニュアル化など効率性、経済的にもすぐれ、
かゆいところにも手が届くような仕組みをつくり日本の養豚家にせまった。

ちなみに、一度に子供を産む数は、平均的に三元豚では10頭弱。
ハイブリッド豚の場合はそれが13頭以上。中には20頭以上産む
ハイブリッド豚も珍しくないそうで生産性も上がりますね。

その結果、一時期は乗り換えて生産する養豚家が増え、日本の養豚産業自体にも
影響を与えましたが、今は落ち着きを取り戻しています。

ハイブリッド豚は品質が悪いという話も一時期多くでましたが、そこは定かでは
ありませんし、当然ながら日々進化もしているわけです。

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