昔はなぜ肉屋は儲かったのか Post Share Hatena LINE RSS feedly Pin it note 利益構造を数字だけで考えた日のこと 30年ほど前、こんな言葉をよく耳にしました。 「肉屋さんって儲かるんですよね」 「どのくらい稼げるんですか」 自営で精肉店を営む方の中には、 確かに大きく稼がれた方もいました。 胸には金のネックレス。 腕には高級時計。 少し怖そうに見える社長も、あの頃は珍しくなかった気がします。 最近は、 「昔はよかった」という声もよく聞きます。 では、なぜ昔はそんなに儲かったのでしょうか。 理由はいくつもあります。 市場環境、競争状況、流通の仕組み。 なかには、今はもうできなくなったこともあります。 たとえば、個体識別番号制度が導入される前と後では、 業界の透明性は大きく変わりました。 ただ、制度や時代背景の話だけでは、 本質には届かないように思います。 どうすれば利益が残るのか。 経営をしていると、利益構造を何度も考え直すことになります。 私は、案外とシンプルに考えたほうがよいのではないかと思っています。 商売の基本は、 安く仕入れて高く売ること。 まずはそこに立ち返る必要があります。 もちろん、そんなに単純ではない、という声も聞こえてきそうです。 実際、精肉店の利益構造で最初に見直されるのは、 ロスや廃棄の部分です。 売れ残り。 値引き。 期限切れ。 目に見える“もったいない”が、 利益を削っているように感じるからです。 しかし、ロスを減らすことだけで十分かというと、 そうでもありません。 精肉の場合、一頭すべてが同じように売れるわけではありません。 人気部位もあれば、 動きの鈍い部位もある。 歩留まりや部位バランスまで含めて考えないと、 利益構造の全体像は見えてきません。 さらに、加工の手間や作業時間もあります。 ロスが減っても、 作業負荷が増えれば、 現場の余白はなくなっていきます。 私が強く印象に残っている出来事があります。 ある店舗で、粗利率の改善に取り組んだときのことです。 数字上は成果が出ました。 原価率は下がり、 粗利率も改善しました。 会議資料としては、 十分に評価できる内容だったと思います。 しかし、売場の空気が変わっていきました。 値入れを優先した商品構成に変えたことで、 売りづらい商品が増えました。 「今日はこれを売らなければならない」 その意識が、 現場の負担になっていきました。 さらに、数値目標が強調されるようになると、 スタッフの表情が変わりました。 売場は整っている。 数字も整っている。 それでも、どこか余裕がなくなっていったのです。 粗利率は改善しました。 しかし、現場は疲弊しました。 あのとき、私は数字だけを見ていたわけではありません。 それでも、どこかで見落としていたものがあったのだと思います。 利益は、計算式だけでできているわけではない。 売場の空気。 スタッフの余白。 お客様の表情。 それらが少しずつ崩れていくとき、 数字はあとから追いかけてくるのかもしれません。 本当に守るべき利益とは何なのか。 今でも、ときどき考えることがあります。 Post Share Hatena LINE RSS feedly Pin it note ビジネス 精肉売場で「売れ筋」が止まる理由と改善のヒント ピックアップ記事 ビジネス 精肉売場で「売れ筋」が止まる理由と改善のヒント ビジネス ビジネス 最近人気のハンバーグ ビジネス ビジネス 肉屋さんの売上を上げる方法(算数編) ビジネス 関連記事一覧 ビジネス プロ向け、豚レバーの下処理・仕込み ビジネス 肉屋さんの売上を上げる方法(算数編) PR PR あなたの生きがいは? ビジネス 牛肉の格付けは、歩留等級と肉質等級により決定されます ビジネス 肉ビジネス経営者が知るべき仕組み化の重要ポイント ビジネス ワンランク上の豚肉知識、部位肉(パーツ) ビジネス 牛肉の格付けはおいしいお肉の証? ビジネス 牛ヒレ・サーロイン、ステーキ肉のうんちく話3本