肉の輸入自由化が、我々に与える様々な影響とは

肉の輸入自由化が、我々に与える様々な影響とは
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肉の輸入自由化は、肉の消費を10倍にした!

当然なようでもありますが、肉料理、肉の消費には肉の輸入自由化が大きな影響を及ぼしています。
最初にはじまったのは、第二次世界大戦の後、戦争のあとです、さまざまな要因があるでしょう、あれた土地、戦争に若い男性を取られ人口構成の変化、GHQによる統制・圧力、日本という国の枠組みが変わったといっても過言ではないでしょう。

現在も常に話題となる憲法改正もその時、敗戦国日本としてGHQの影響下でつくられたものです、おっと話が別の方向にそれそうなのでもとに戻しましょう。

輸入ですから、関税に大きな影響を受けます、今でもアメリカをはじめあらゆる国で、その活用をパワーバランスにも使われています。(これもまた、横道にそれそうなので、詳しくはググってください??)

肉の輸入自由化は、どんな道筋で日本きたのか?
1962年に、鶏肉・羊肉が貿易自由化に、1971年には、豚肉の自由化、1991年には、牛肉の自由化がはじまったわけです。言うまでもなく供給量が増えれば、消費が増えます、そう安くなるからですよね。また、食の欧米化が進んでいることから、食肉をより多く消費するようになりました。

どのくらいの消費の変化があったかというと、1960年には1人1年当たりの食肉(牛肉・豚肉・鶏肉)供給量はわずかに3・5kgでしたが、2013年はその 10 倍の 30 kgとなりました、50年での大きな変化です。
お肉を愛する私としては、自分の幼少期からの成長とともにこの時代を過ごしてきました。まさに実体験をしながら育ってきたわけです。
日々の食事の中で、野菜と魚中心の食生活から、次第に鶏肉、豚肉が食卓に上がる頻度が増えてきます。でも牛肉の登場は少なく、牛肉の日にはテンションが上った記憶があります。

肉の輸入自由化が、とりわけ消費に影響を与えた出来事は

というわけで、食肉の消費に大きな影響を与えた出来事といえば、肉の輸入自由化がありますが、1991年の牛肉の自由化が、大きなひとつです。
高嶺の花と思われていた、牛肉が安くなったのですから。

強く覚えていること、学生時代に一人暮らし・自炊の貧乏学生であった私はスーパーに買い物に行けば安いものさがしです。魚売場に行けばたまの贅沢は、マグロの切落し、食べ盛りの肉売場は、鶏肉か豚の切り落としでした。その横の売場に広告商品として販売されている牛小間肉をかっていく主婦の姿を羨ましく目で追ったものです。

そのときには考えられない時代となったのです。輸入牛肉の消費が増加、影響で国産牛肉の価格も下がり、庶民の生活に牛肉が普通にはいってきたのでした。
そしてもう一つ、2001年に日本、2003年に米国でそれぞれ発生したBSE(牛海綿状脳症)です。

それまで伸び続けていた牛肉の消費は大きく減退し、BSEの発生から 10年余が過ぎ、2013年には、国際獣疫事務局(OIE)から「無視できるBSEのリスクの国」と日本は認定されました。しかしながら、牛肉の消費量は回復傾向にあるとはいえ、BSE発生前の消費量には及びません。

この当時は、狂牛病などといわれましたが、その名前が好ましくないということで、BSEに統一されましたが、病気になった牛の様子がテレビなどで流れ、巷と話題とならない日はありませんでした。
それだけインパクトの強かったものです、牛肉・牛肉料理にとどまら当初は肉すべての消費も減退したのを販売現場で肌で感じました。

毎日のように、この肉食べても病気にならない?と、基本的に病気なった牛の牛肉を食べても問題はありませんが、やはりそこは強く意識されその牛さんは販売されるはなかったです。
2012年くらいでしたか、BSEに感染した牛が手違いで?市場にでまわり販売されたという事がおこりました。

何社かの卸から小売にでたわけですが、その一つの会社から私どもは肉を仕入れていたので、地元の保健所から職員がすぐに来られたのを記憶しています。
私どもは該当の牛を仕入れていないという事が個体識別番号と仕入れ伝票から証明され大きな問題にはなりませんでしたが、それを知らずに販売していた小売業者は大きな打撃をうけたものでした。

お店で販売されている牛肉の値札やパックをよく見てみてください、日本でと畜された牛には必ず表示されています。その番号からその牛がどこで生まれて、どこで育ち、どこでと畜されどう流通したかを誰でも簡単に見ることができますよ。

※個体識別番号とは
2014年12月より、「牛肉の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(通称: 牛肉トレーサビリティ法)」が施行され、流通~販売段階で実施されています。
牛肉トレーサビリティ法とは、牛の個体識別のための情報管理及び伝達に関する特別措置法で、国産牛肉に出生段階から10桁の個体識別番号をつけて、
個々の牛の生まれてから食肉になるまで(酪農家から加工、流通業者、小売店、外食店などへ)番号を伝達することを義務づける法律です。
すでに生産(酪農家)からと畜段階までは2013年12月より実施されていました。

個体識別番号に関するあれこれは、(個体識別番号のもつ力)も参照ください。

肉の輸入自由化の影に、見過ごせない大きな影響もあります

お肉の消費という観点からばかりみてくると、消費拡大・肉料理が食べられるようになったということですが、その影には食料自給率・自給力という大きな?課題も見え隠れします。

食料自給率は、国内の食料消費が国産でどの程度賄われているかを示す指標です。我が国の食料自給率は、長期的に減少傾向で推移しており、先進国中最低水準となっています。食料自給力は、日本がもつ食料の潜在生産能力を表すものともいえます。食料自給率には、重量で計算することができる品目別自給率と、食料全体について単位を揃えることにより計算する総合食料自給率の2種類があります。

また、総合食料自給率にはカロリーベース、生産額ベースの2とおりの方法で算出されます。
畜産物の関係する着目点は、国産であっても輸入した飼料を使って生産された分は、国産には算入していないという点があります。

日本の食料自給率は、自給率の高い米の消費が減少し、飼料や原料を海外に依存している畜産物や油脂類の消費量が増えてきたことから、長期的に低下傾向で推移してきましたが、カロリーベースでは近年横ばい傾向といっています。確かなことですが、これは数字のマジック?利用でもあるのかな(長年自給率の低下が叫ばれた結果、カロリーベースという指標が登場した、そんな感覚がある)

肉類の自給率をみれば、1991年には、67%であったものが、1997年には57%にまで落ち込んでしまいました。
もしも何かことがおこったら(世界的に食料が不足したり、産地からの輸送が滞ることなど)、と考えれば食料自給率の低下は決してよいこととはいえず、安全保障も揺るがせかねないことでもあるのでは?!

これって言いすぎでしょうか・・・。
敗戦以来?ある意味平和な環境で過ごしてきた、と思っている日本人は多いですが、そこにも?はつきますし、軍事的なことだけでない平和を脅かすものも必ず存在するわけです。日本に食料品が輸入されなくなる可能性がゼロではない、そんな意識も頭のどこかには必要なのかも、と思ってしまう今日このごろです。

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