ハム・ソーセージ等の乳化剤について

ハム・ソーセージ等の乳化剤について
さまざまな素材

乳化安定剤のことを一般的に乳化剤といい、水と油のような、本来混じり合わないものの境界面で働いて、均一な状態を作る作用を持つものを乳化剤といいます。
食品には、乳化、消泡などの目的で使用されます。ソーセージ製造時に赤肉と脂肪の乳化を助け、品質を安定に保つために使用されています。

食品添加物、乳化剤とは

乳化剤とは「乳化」することを目的として使用される薬剤のことです。乳化剤は乳化のほかにも空気と液体、固体粒子と液体などを均一化する働きもあります。
水と油のような、本来混じり合わないものの境界面で働いて、均一な状態を作る作用、ということは、界面活性剤と同じに感じますね??

そうです、乳化剤は、界面活性剤と同じともいえます、化粧品や洗剤では、「界面活性剤」と表示され、食品では「乳化剤」と表示されます。
ということで、乳化剤は食品にたくさん利用されています(たくさんの種類の食品という意味です)。

その種類は、パン、アイスクリーム、ホイップクリーム、チョコレート、コーヒークリーム、ドレッシング、調味料、魚肉練り製品等、当然?多くのソーセージ等でも使われています。

食品添加物、乳化剤の働き

乳化剤は、上記のような乳化の役割以外にも様々な働きをしています。
代表的なものは、

起泡:液体を混ぜたときに生じる泡を安定させ、ケーキやホイップクリームなどにボリュームを持たせます。
使用食品は、パン・ケーキ・ホイップクリーム・アイスクリームなど。

消泡:液体に泡が生じないようにしたり、生じた泡を消したりします。豆腐など、泡を消すことで食品になめらかさを出します。
使用食品は、豆腐・ジャム・飲料など。

湿潤:固体の表面を液体に濡れやすくし、粉末食品のダマを防止します。
使用食品は、粉末食品類・チューインガムなど。

分散:粒子の細かい個体を液体の中で安定して均一に分散します。
使用食品は、ココア飲料・チョコレートなど。

可溶化:溶けない物質が界面作用によって、まるで溶けたかのように透明な状態を作ります。
使用食品は、香料を加えた飲料など。

洗浄:界面活性剤と表示され、衣料用洗剤や石鹸に使われています。野菜や食器を洗う洗剤にも利用されています。

ハム・ソーセージの乳化剤について

ハム・ソーセージの乳化剤について

ハム・ソーセージの乳化剤としては、ガゼインNa(ガゼインナトリウム)が有名です。
ガゼインNaは、ガゼインを中和させたもので、水に溶けないガゼインと違い、水によく溶けるので使用できる範囲が自ずと広がります。

ところでガゼインって?
ガゼインは、乳タンパク質の80%を占めていて全ての必須アミノ酸をバランスよく含んだ物質です。そのため、非常に栄養価が高く、食品添加物としてだけでなくサプリメントなどの栄養補助剤としても使用されています。
牛乳に酸を加えて固まるのがカゼインで、食品添加物として恐ろしいように感じられるかもしれませんが、上記のように食品としても扱われています。

そのため、乳化の目的で使用されていてもカゼインNaは、食品添加物ではなく食品なので乳化剤とは別に表記されます。

ガゼインNaは、大きく3つの働きをします。
ハム・ソーセージのために使われるのは、赤肉と脂肪の乳化を助ける安定剤要素、また、加工食品の栄養強化(タンパク質の強化)のための「強化剤」要素、そして当然ながら水と油を均一に混ぜ合わせるための「乳化剤」要素のはたらきです。

ということで、かなりたくさんの食品に利用されています、ハム・ソーセージの加工品、かまぼこなどの練り製品、パン、アイスクリーム、お菓子、乳製品などです。
では、そんなに多くの食品に使われるガゼインNaは、人間にとって安全性は高いのでしょうか。

基本的には、牛乳由来の食品ですから安全性は高いと言われています。
そのため、一日許容摂取量(ADI)も定められていません。とはいっても忘れてはいけないのが、アレルギーです。

牛乳由来ですから、食品アレルギーを引き起こすアレルゲンとしては見逃せないものです。
それも、乳アレルギーの原因は、カゼインと乳清タンパクに含まれるβ-ラクトグロブリンと言われているからです。

特に注意したいのは、ガゼインもβ-ラクトグロブリンも、耐熱性があるため、加熱してもアレルゲン性が低下しないということです。
安易に、熱を加えればいい、と考えると大きな間違いなので注意したいものです。

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