ハムのお話、ハムの種類や作り方などいろいろ

ハムのお話、ハムの種類や作り方などいろいろ
さまざまな素材

ハムの歴史

ハムが最初にどこでつくられたか、これははっきりとはわかりません。
ただ、狩猟が盛んだった時代に、獲物は塩漬けにすることで長く保存ができることを、古代の人が知ったのが、その歴史のスタートでしょう。
ヨーロッパでは、12・13世紀には、ほぼ全域でハムやソーセージがつくられ、中国では、0世紀の宋の時代に、金華火腿(チンホウアフオトゥエイ)というハムが生まれました。

日本での歴史は浅く、最初は長崎だったようです。明治5年にはハムがつくられ、明治天皇が長崎に巡幸した折に自家製ハムを献上したと伝えられています。
その後、明治6年に札幌、明治7年に鎌倉でも製造されるようになりました。
昭和初期くらいまでは、日本でハムは超高級品でした。大正10年ぐらいの物価では、ハム1本と米一俵は同等、、公務員の初任給の約1/3ほどであったそうです。

ハムとは豚のもも肉を意味する英語で、ヨーロッパでの伝統的なハムとは、骨付きのもも肉を加工したものでしたが、日本においては、もも肉にとどまらず、ロース肉や肩肉なども使ってつくられ、
違った発展の仕方をしたと言えます。

ハムの作りかた

一般的にロースハムは、
ブロックの豚肉を整形(原料のお肉を脂やスジをとり、用途別に整形し分けます)

塩せき(原料肉に塩せき剤:塩や発色剤など、を加えて冷蔵で熟成します)

充てん(ケーシング:包むための薄皮のようなもの、につめて形を整えます)

乾燥くん煙(煙でいぶし、保存性を高め、色目と香りをつけます。くん煙は行わない場合もあります)

蒸煮(くん煙だけでは、加熱が十分ではないので、お湯や蒸気を使い肉の中心部まで加熱します)

冷却(急速冷凍をかけ、肉質の引き締めと、細菌の増殖を防ぎます)

この後は、商品別・用途別にスライスや包装をされ、検査を受けて出荷を待ちます。
ちなみに生ハムは、長時間いぶし、時間をかけて乾燥させていきますが、蒸煮はしません。

※塩せきについての補足
塩せきの目的は、「保水性の向上」「保存性の向上」「肉色の発色と固定」などがあります。
塩せきの方法には、塩せき剤を肉に手ですり込む方法や、塩せき剤を水に溶かした溶液(ピックル液)に漬け込む方法、ピックル液を専用の注射器で注入してから漬け込む方法などがあります。

塩せき剤には、食塩や香辛料のほかに食品添加物である発色剤(硝石や亜硝酸ナトリウム)が配合されています。
発色剤を使わず作る場合は「無塩漬せき」といいます。

昔話ですが、20代の頃、少し高級な有名ステーキ店チェーン?が、食前にハムの薄切りを提供していました。
そこのハムが美味しいと評判になているということで、あるハム屋さんと食事しにいった時、そのハム屋さんは、こんなのはハムではない、とご立腹。
おっしゃっていたのは、塩せきにより、当時のいろいろなハム会社のロースハムより、水分がかなり多くしている、ぶくぶくだよ、ということでした。

確かに、そうなのかもしれませんが、口当たりのよさなどお客様は喜んで食べておられる、悪いことなのか?と。
その後、いろんなハム屋さんも同様の商品をつくられたりしましたから、一つの時代の変化であったのかもしれません。

ハムの作りかた

ハムの種類、JAS法の分類による

骨付きハム・ボンレスハム(熟成)・ロースハム(熟成)・ショルダーハム(熟成)・ラックスハムといったハム類
プレスハム・混合プレスハムといったプレスハム類にわかれます。

・骨付きハム・・・豚のもも肉を骨付きのまま整形、加工した製品で、加熱処理したものと低温で長時間乾燥させたものがあります。
・ボンレスハム(熟成)・・・豚のもも肉の塊から骨を外し、加工したものです。脂肪が少なく、あっさりしているのが特徴です。
・ロースハム(熟成)・・・豚のロース肉の塊を加工したものです。日本で最も一般的なハムで、きめが細かく柔らかいのが特徴です。
・ショルダーハム(熟成)・・・豚肩肉をロースハムと同様に整形、加工したもので、赤肉が多い製品です。
・ラックスハム・・・豚のロース肉などを加工し、低い温度で時間をかけて熟成させたものです。通称「生ハム」と呼ばれています。
・プレスハム・・・豚肉と牛肉などを混ぜてひと塊にし、加工したものです。ハムのように1つの肉塊からできたように工夫したもので、日本オリジナルの製品です。
・混合プレスハム・・・畜肉を主原料とし、魚肉を加えてプレスハムと同様の製法で作られたものです。

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