肉ニュース 2018年度枝肉格付状況と驚きの現状

肉ニュース 2018年度枝肉格付状況と驚きの現状
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2018年度枝肉格付結果をどうみるか

2018年度の牛枝肉の格付けと豚枝肉の格付けの年間の結果が発表されました。
ざっくりといえば、牛に関しては、和牛は5等級が、交雑は4~3等級が増え、豚に関しては、上が減少し中が増えたという結果です。
(整理しておきますが、格付けは牛は5,4,3,2,1級があり、5級が一番良い等級、豚は、極上、上、中、並、等外という等級があります)

そして、その裏?には、この状況を導ける最新の技術もあるようです、後ほど詳し述べます。

2018年度枝肉格付結果

2018年度枝肉格付結果解説

2018年の枝肉の格付頭数は牛・豚ともに前年実績を上回った結果。と畜頭数の増加によるもので、牛枝肉の格付頭数は前年比1.4%増の90.1万頭で6年ぶりに昨対を上回り、3年ぶりに90万頭台に乗りました。
豚枝肉の格付頭数も同0.9%増の1,245.9万頭と、前年の昨対割れからプラスになりました。

牛枝肉は格付頭数に占める5等級の割合が前年実績から1.1ポイント増加し、3等級と1等級がそれぞれ0.2ポイント増加、その反面、4等級が0.2ポイント減、2等級が1.2ポイントも減少という実績
和牛の5等級の増加や交雑の2等級の減少が原因とみられますが、育種改良が進んだことや、肥育農家サイドの肥育技術の向上、人気系統の利用などにより、品質の向上が一段と進んだ結果でしょう。

豚枝肉の格付けは、「上」以上の割合が0.5ポイントとわずかに減少し、「中」が0.4ポイント増加したという実績。

また、牛枝肉全体の歩留等級はAが0.3ポイント増加、Bが0.2ポイント減少、Cが17.7%・0.1ポイント減少しここにも品質の向上が見えます。
詳細に見れば、和牛は去勢・めすともに5等級の増加が目立つし、和去では2~3等級の比率が1.6ポイント減少しているが、これは、枝肉の形質が良くなったためと思われます。

交雑種も去勢・めすともに4等級と3等級が増加し、2等級がそれぞれ0.7ポイント、2.6ポイント減少下という実績。こちらも、優良種牛による肉質向上が進んだ結果とみられます。
乳用種については、一番気になるのが、乳去の格付頭数が前年比6.0%減となっていことです。

豚枝肉は格付け頭数に占める「上」の割合が48.9%と前年から0.5ポイント減少し、4年ぶりに前年実績を下回る結果となりました。
これには、出荷時の問題があるようで、枝肉重量を大きくさせる傾向にあるため、重量範囲をオーバーするなどして上物率が減ったと考えられます。

取引先に聞いた、最新の技術や最近の肥育技術の発展??

話を聞いたのは、日本でトップクラスに牛を売り買いする会社の人です。
お肉の業界はやはり12月が一番牛肉を扱う量が増えますが(多くの方は、春夏もバーベキューなどで需要がかなりあると思われる方が多いですが、現実には、年末とは雲泥の差があります)、
いわゆる年末商戦に扱った牛肉、かなり前から準備する冷凍商品、実際に年末に購入するチルド商品など、その商品に対する評価や感想を話していました。

こちらの感想としては、相対的に満足のいく商品が多かったというものでしたが、最近の技術がどんなところまでいっているのか、というお話になったときのことです。
オスメスの産み分けはたやすくなり、人工授精卵で子供を産ませるというものです。知ってはいましたが、現実にその流れに加速がかかっているように思え、上記の枝肉評価にもそれが現れているのを見ると、
正直なところ複雑な気分でもあります。

というのは、オスメスの産み分けはそのまま数字に出ますし、人工受精卵の活用は、品質の良い牛の増に繋がります。そして案外と見過ごされますが、乳用種去勢の頭数減には、この人工授精卵の活用の結果と言えることです。
本来、今までであれば?乳用種からは、乳用種や交雑種が生まれていましたが、人工授精卵を乳用種に着床させることによって、それが和牛の受精卵であれば、乳用種から和牛が生まれるということです。
乳用種去勢の減は、こういったことの結果でもあるわけです。

腹を借りて、和牛を育て、牛乳もでる、ということで、人間には好都合なこと?なのかもしれません。
綺麗事のようでなんですが、個人的には、なにかしっくりこない、これが良いのか、ということでしょうか。

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